詩のような 世界
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今にも吐きそうで仕方がないのです
とにかくもう
赤や黒や白の顔たちが胃を満たし
さらに悪いことに
それらは皆わたしを眼中に入れているのですから
わたしは視線から逃げようともがく
じたばたすればするほど締めつけてくる
それらの臭い欲や企みが
わたしの腸へどくどくと流れ落ちる
気がつけばわたしは謝っていました
口に出すことはありませんが
どうかその手を離してくださいな
何も求めないでくださいな
おなかがいたいおなかがいたいおなかが
それでもわたしは微笑み続けるのです
どこも痛くない振りなど簡単ですから
内部に侵入する者たちは
確実にわたしの一部となりつつあります
がぶりがぶりと内膜に食らいつく
わたしはそれらの重みに身震いする
抉られて抉られて抉られて抉られて
居なくなるのはわたしの方なのだろう?
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