詩のような 世界

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2003年01月02日(木) ラベル


ねこ という名の少女がいた
皆に名前を呼ばれるうちに
彼女は本当にねこになった
しっぽはさすがになくても
一目でねことわかるレベルだ

友だちは彼女を見て嘲笑したが
彼女はただ解放されたような笑みを
浮かべるのだった

何を訊ねられても にゃあ
何を感じても にゃあ

彼女は言葉をなくしていた
しかし不自由とは思い難かった
鳴けば餌は現れるし
答えたくない問いには
にゃあ でやり過ごせる利点がある

暖かい午後は陽の当たる階段でひるね
かすかに聞こえる学校のチャイムとも
今となっては無関係だ

彼女はヒトにのどをなでてもらうことに
全身全霊をかければよかった
それで幸せだった
いずれ幸せだということすら
忘れてしまうだろうけれど


ある日を境に彼女は タマ と呼ばれるようになった


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