サーモンピンク・フラミンゴ
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2003年03月30日(日) それでも「誠実」なワタシ

ワタシには一緒に住んでいる相方「きょん」がおります。
もうかれこれつきあって12年目、一緒に暮らし始めてから10年目くらいですか。長いですね。
既に「ラブラブ」なんて言葉はふたりの間では死語です。
どっちかというと「恋人」というより「共同生活者」です。
何度か別れの危機もありましたが、猫1匹・犬2頭という「子供」ができてからは、別れづらくなっております。子はかすがいとはよく言ったモノです。
犬猫を飼ってからも「別に暮らしましょう」的危機は何度もあったのですが、誰がどの子を引き取るかでもめまして、そのことでぐずぐずしているうちになんとなく仲直りしちゃったりして。

恋という感情からはほど遠くなってしまった二人ですが、仲良く、お互いを尊重しあいながら暮らしております。はい。
映画、音楽、価値観の根っこ(表層はけっこう違ったりする)、そして笑いのツボが合っている、という点が、私たちがうまくいっているポイントのようです。
笑いのツボは価値観より大切なのではないかと、ワタシ個人的には思っております。

そして、ワタシのラブライフを語る上で、どうしても外せないヒトがいます。

名前を仮にナナとしておきましょう。
ワタシは13歳の頃から彼女に恋しています。しつこいですね。
ナナに対する気持ちというのは、他の恋愛感情とは別格なもので、例えばワタシという存在の核となるモノを述べよ、と言われれば「それはナナに対する気持ちです」と答えるでしょう。
言葉にしようとするとうまくいかないのですが(たいていのコトは言葉にすると安っぽくなってしまいますね)、彼女に対する思いというのは、深いです。

ナナとは中学の3年間同じ部活で、フツウの友達として仲良く過ごし、高校で別々になってほとんど会わなくなり。
彼女のバイト先だったミスドにたまに買いに行って「元気?」というくらいのおつきあいになって。
それでも高校時代は3回くらい会って話したこともあったのかな。
たまに会っても、気が乗らなそうな彼女の態度にすっかり自信をなくしたワタシは、とうとう気持ちも伝えられないまま、その後まったく会わなくなりました。
ナナのことはナナのこととして、ワタシには恋愛の別回線があるらしく、その間もいろいろな人とおつきあいをしました。
それらの人たちとは、決して適当につきあっていたわけではなく、それぞれ真剣でした。
でもナナはいつも心にいるんですよ。わけわかりませんが。

ナナとは音信不通のまま、彼女が結婚したこともワタシは知らず、それでも年賀状だけは送っていました。彼女からは来ないけど。そういうヤツです。

で、そのうちきょんと出会います。
ワタシがつきあった女性たちは、みな例外なくヘテロで、常に「いつかはお嫁にいっちゃう人」たちでした。
きょんも間違いなくヘテロなのですが(でもワタシとつきあってるんですけど・・このへんの矛盾はワタシもじっくり考えてみたいところなので、また別項で)、「どうしていつも別れを前提にした話し方をするの?あたしはじょりぃのことを好きでいる限り一緒にいるよ」と言われ感激し「もうよそ見はしない!」と決心。
で、ふたりで暮らし始めたわけです。

そして月日は流れ、2年前の2月。

ナナが自分の母親の死をきっかけに「急にじょりぃのことが気になって」とコンタクトを取ってきました。
それから急速に親しくなり、この2年はしょっちゅう会うようになって。
いや、もちろん、ただの友達なんですが。
今では親友といってもいいくらい、心を許しあっております。

でもワタシの気持ちは何も変わっていないんです。

ナナのことは、相変わらず気がおかしくなるくらいというか、おかげさまで正気が保てているというくらい好きです。

きょんとの生活も愛しています。とてもとても大切なものです。
きょんとはもう「甘い関係」とはとても言えませんが、共に人生を歩いていくならおそらくきょんなんです。

ナナとは、もし仮に気持ちが通じ合ったとしても、「うまくいかない」のですよ。
それは、13歳の時に恋して以来、ずっと感じていることでもあります。

・・・ええと、ここまで読み返すとですね。
モノガミーな人から見れば「なんていいかげんな!」と思われてしまいそうです。
実際、人間はいいかげんなので、ぐうの音も出ませんが。スミマセン。

なぜ、わざわざこんな「じょりぃったら、信用ならないヤツ」と思われてしまいそうなことを、エラそうに語っているのか?(いや、別にエラそうにはしていないんですけど)
ワタシにとって、このふたりの存在は本当に大切なもので、このふたりなくしてはワタシという人間の存在を、ワタシという人間の考えていることを語ることができないからです。

ナナにはワタシの気持ちは相変わらず伝えていません。
でも、最近はもしかしてわかってるのかな?という感じもあったりします。
もうすっかりお互いを信頼しているし、ナナにはセクシュアリティの偏見がない(というか、すべてにおいて差別意識というものがない)ので、もし気持ちを伝えたとしても、良い友情関係のままいられるかな、とも思っています。

ただ、ナナには家族があります。
彼女の今の幸せな生活はこの人のおかげ、と心から思えるやさしく頼りになるご主人と、かわいい子供3人。ありがたいことに、みなさん、ワタシを好いてくれ、大切に思ってくれています。
ナナに気持ちを伝えるだけでも、彼らに対してウソをつくようなことになりそうで、なんとなくというか、かなり強く躊躇しています。
ていうか、「今もおまへウソついてんだよ」と言われればそれまでなんですが。

きょんにはナナのことがずっと好きだという話はしていません。
話した方が誠実なのか、話さない方が誠実なのか、いまだに結論が出ないまま今に至っております。
きょんにとっても、今のワタシとの生活はたぶん壊したくないはず(そ、そうだよね、きょん?)。
例え話したところで、彼女はワタシと別れるということはしない(はず)と思うのです。
だとしたら、知らない方がいいのかなと。

100人いれば、100通りの愛のカタチがある、とワタシは思っております。
そしてこれが、ワタシの愛のカタチ。

そしてさらに、あっちこっち目が行ってしまう、ヤーな奴。
じょりぃでございます。
イヤね、ホント。

でも誠実なの。笑へ。


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