| 2009年06月05日(金) |
「さよならは言わない」 |
あまり考えたくはないけれど、何かの折にふと、「これって、年だから?(^^;」と思うこともあるわけでして(笑) そのひとつ、音楽に関して。
車での通勤時、よほど考え事をしている時以外は、CDを聞いています。 でも、昔ほど熱くはない(笑) 仕事へ向かう時だからと言うこともあり、ほっとできるもの。 ともすれば、それは昔なつかしの歌になってしまいます(^^; 今流行っている歌の中にも、もちろん名曲はあり、テレビなどで耳にして、いいなあと思ったりはするのですが・・・ ここからが昔(こだわるなあ)と違うところ。 わざわざCDを買ってまで聞こうと、なかなか思えない。 ま、いいか、と流してしまう。これって、年のせい?(゜o゜)ゲッ!!
そんな私が、久々に「この曲は聞きたい!」と思えた歌がありました。 最初に耳にした時から、ハッとして、心に残り・・・ その曲のシングルCDを、やっと手にしました。 小田和正さんの「さよならは言わない」 美しいメロディ、切ない歌詞のバラードです。
小田さんと言えば、オフコース時代も、ソロになってからも、その伸びやかなハイトーンの歌声と、透明感のある繊細な詩が印象にあります。 ピュアな青年の心を詠った歌と言う感じ。 哀しさや切なさを、ぴんと張った糸の緊張感の美しさで魅せる、みたいな・・・
今回買った「さよならは言わない」をじっくり聞いた時、「あ、大人の歌になった」と思いました。 すみません、私などがこんなこと言うと、失礼ですよねm(__)m いえ、きっとずっと小田さんの歌を聴き続けていた方なら、当たり前と思われるのでしょうが、私の場合、小田さんのCDは「ラブストーリーは突然に」(古い!)以来でしたので(^^;
「さよならは言わない」は、今年1月から放送していたテレビドラマ「トライアングル」の主題歌でした。 25年前の未解決少女殺害事件。その少女に初恋を抱いていた主人公が、時効を迎えた事件の謎を解こうと動き始める。 そんなミステリーでした。 謎は、二転三転して、周りの様々な人物の真実を見せ始めます。 エンドロールで流れる美しい歌が、事件の落とした悲しみの影を切なく彩っていました。
この歌の歌詞をじっくり聞いていると、一見、別れなくてはならなくなった恋人に対しているようでいて、ふと違う景色が見えてきたりするのです。 友達、青春時代を共に過ごした仲間、もうお互い若くはない年になってしまったものの、楽しかった時を分け合った友への思い、そんなものが感じられたのでした。 この歌の2番の歌詞です。テレビでは聞けなかったこの部分に、ハッと胸を突かれました。
戦い続けてきたわけじゃない 流されてきたとも思わない 追いかけた夢のいくつかは 今この手の中にある
晴れ渡ったこんな日は いつだって思い出す 飛ぶように駆け抜けた 遠い日の僕らのことを
こころは今も あの時のまま 思い出に そして君に だからさよならは言わない
年月を重ねたからこそ書ける歌詞、切なさだけでなく、温かくおおらかなものに包まれるような気のする、そんな歌なのです。 CDを初めて聞いた時、不覚にも涙が出ました。 誰にでもある、あるいは巡ってくる、若く遠い日を思う時。 この歌の出たしは「ずっと楽しかったね」と言う語りかけです。 そう、楽しかったのだ、きっと・・・ 今になってだからこそ、そう思える日々があるのだ。 そんなふうに、やわらかく納得し、なつかしくなる。 いい歌に出会えました。
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