つぶやきDiary
何気ない日常のつぶやき
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2008年10月11日(土) 映画「容疑者Xの献身」

原作は東野圭吾の推理小説。
天才物理学者、湯川学が不可解な事件を化学や論理的な推理によって解決して行く「探偵ガリレオ」シリーズの中で、直木賞受賞作となった長編ミステリーです。

去年、湯川役に福山雅治さん、湯川に事件解決の助言を依頼する女性刑事、内海薫役に柴崎コウさんで、テレビドラマ化されました。
今回のお馴染みのメンバーでの映画化です。


天才数学者でありながら、家の事情で研究者への道へ進めず、高校の数学教師をしている侘しい中年男性、石神。
アパートの隣の部屋に、中学生の娘と二人で暮らしをしている花岡靖子に好意を持ち、彼女が切り盛りするお弁当屋に毎朝寄っては、お弁当を買い、ささやかな挨拶を交わします。

事件は、靖子の元夫、富樫が靖子の居場所をつきとめ、押しかけてきてことから始まります。
靖子と口論し、これからもつきまとうことを匂わせる富樫の頭を、娘である美里が思わず殴ってしまい、激昂して襲い掛かる富樫を、靖子は美里と協力して殺してしまう。
そこへ、隣の部屋で物音に気づいた石神が・・・

数日後、発見された富樫の死体。警察は、当然ながら、別れた元妻である靖子に疑惑の目を向けます。
ところが、靖子母娘には鉄壁のアリバイが。
困惑した草薙刑事と内海薫は、湯川に助言を求めに行きます。
そっけない態度だった湯川ですが、靖子の隣人が、湯川と同じ大学出身の石神と言う男だと聞いたとたん、興味を示します。
石神は、湯川ですら認める天才数学者であり、しかも大学時代は湯川の友人でした。

石神のもとを訪ねた湯川は、やがて事件に石神が絡んでいることに気づき、独自に捜査を始めます。
友情と疑惑に悩みながら、真相に近づいた湯川の出した結論とは・・・


石神役は、堤真一さん。花岡靖子には松雪泰子さん。
このお二人の演技が、見事でした。
石神は、原作では太り気味で身なりに構わない、とても女性の関心をひきそうにない冴えない男。
その役が堤真一さんと聞いた時、まずは「ええっ、合わないだろう!」と思いました(笑)
かっこよすぎますよねえ(*^^*)

でも、いかにも着古したようなジャケットに、マフラーを巻いて、猫背気味で重そうな足取りで歩く姿や、少しまぶたを腫らしたような無表情で、鬱々としゃべる様子などは、なるほど石神だと思わせてくれました。
もっとも、そこまでダサく装っても、やっぱりかっこよかったですけど(笑)

松雪泰子さんは、適役でしたねえ。儚げでありながら、媚びを感じさせない清潔感があって、素敵でした。
追い詰められて行く表情や、涙も美しかったです。

テレビの連ドラの時は、いささか軽いノリで、ちょっとミーハー要素(すみません!)が気にかかったものでしたが(^^;
映画は、とても堅実な作りだったと思います。
最初の方こそ、お馴染みのメンバーによる連ドラのノリが感じられましたが、それも石神と花岡靖子の登場で、いっきに空気が変わります。

十数年ぶりの、石神と湯川の再会シーン。
いかにも冴えない、くたびれた様相をした石神と、見事に対照的な湯川。
スマートなジャケットに黒いマフラーを粋に巻いた姿は、まるでファッション雑誌から抜け出したようで・・・学者さんて、あんなにオシャレなのか?(笑)
まあ、このあたりは福山さんが演じるのですから、無理もないと言うところでしょうか(^^;
でも、連ドラで毎回見ていたシーン、推理がひらめいた湯川が、ところかまわず数式を書きなぐるシーンは、ありませんでした(笑)
さすがに浮いちゃうでしょうしねえヽ(´ー`)ノ

でも、中だるみすることもなく、どんどん話に引き込まれて行く感じでした。
原作を読んでいて、結末は知っていましたが、ラストの堤さんと松雪さんの演技には、思わず涙が出てしまいした。
いい映画だったと思います。


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