仕事から帰ってくる途中、近所の家を通り過ぎようとして、ふと足をとめました。昨日、今日と。 それはチリンチリン、と涼しげな音が聞こえたから。 その家の窓辺に、さりげなく風鈴がかかっています。 あ、もう風鈴を出しているんだ、・・・夏が来るんだなあと、あらためて思いながら、しばし聞き入っていました。
その風鈴は、南部鉄風鈴と言うのかな、昔ながらの渋い感じの小さな鉄の風鈴でした。 音色もとてもつつましくて、ガラスの風鈴の明るい音に比べると、少し低めのようでありながら、凛と澄みきっています。 静かな水の表に、乱れのない波紋が広がって行く・・・そんなイメージが浮かぶような音でした。
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