雑念エンタアテインメント
モクジ 雑念
飲んだくれた次の日は、頭が空っぽ。
仕事が終わって家に帰ると、マンションの玄関先で、カブちゃんに会った。 “暇だから一緒に飲もう”という誘い。 そのカブちゃんの背後には、何処かで見たことある顔が。 其れは、カブちゃんの彼、ケイスケくんだった。 何処が暇なんじゃ、というツッコミを余所に、アタシは、カブちゃん宅へ上がりこんだ。
カブちゃんもアタシもケイスケくんも、終わりを知らない。 とりあえず、酒があれば呑む、無くなれば買いに行く。 アタシとカブちゃんは、ある程度呑むと酔ってくるんだけど、ケイスケくんには、底がないらしい。 なので、買い出しは、ケイスケくんに頼んだ。 どのくらいかなー。 2往復はさせたかも知れない。 人が良いのか、カブちゃんに弱いのか。 “オレが行く!暗い夜道に女を歩かせらんねぇ!”と言って2度、出て行った。 アンタ・・・いい人だ。
そんなこんなで自分の部屋に戻ったのは、出勤2時間前。 そりゃ当然、頭も回りませんよ。 フロアに出れば、オーダーは間違えるし、ワイン零すし、皿ひっくり返す。 最後には、浦原さんに“帰りなさい”と言われるし。 結局、居ても皆に迷惑掛けるだけなので帰ってきました。 本日の労働時間、約3時間半。 今月、厳しいなぁ。 そして、さっき掛かってきた電話。
“明日、●●ビルまでお越し下さい。詳しい内容は、先日、葉書を郵送しておりますので−”
そうかそうか―――忘れてた。 テッコとの企画って、明日だっけ。 俯せに倒れ込んだベッドから這い出して、鏡を見た。
「この顔・・・・サイアク・・・。」
一夜にして吹き出物は出来てるし、瞼は腫れてるし、若干、目の下にクマが。 今日、この顔で働いてたのも問題だけど、明日の方が大問題だ。 だって、テッコに会うんだよ? パックやらなんやらするのがフツーでしょう。 この顔じゃ、今からパックしても間に合いそうにないよ。
「会いたくねぇー。」
ギリギリの声で吐き出すと、チャイムが鳴った。 面倒なので居留守を使ってたけど、あまりにも煩いので仕方なく玄関へ向かった。 アレ・・・・。 ドアを開けると、其処には浦原さんが。 「どうしたんですか。」 「心配だから来ちゃいました。(笑)」 「・・・・ま、入りますか?あ、でも、お茶とか出しませんから。 なーんもしたくないんです。本当なら浦原さんを追い返したいくらいです。」 浦原さんは、“酷いなぁ(苦笑)”と言って、ソファに腰を下ろした。 手にしていた手提げの紙袋から、布に包まれたタッパーが出てきた。 「二日酔いっスか?」 「んー・・・そんな感じです。」 そっスかー、と言って開けたタッパーの中身は・・・。
「カレー、食いますか?」
このオッサン・・・サイアク。 二日酔いにカレーだなんて、聞いたこと無いよ。 心配なら、もっと気の利いたもん御願いしますよ。 ベッドに寝転がりながら、今までの様を見ていたアタシは、冷たい視線を投げた。 「あ、その視線、痛いっす。(苦笑)」 「分かって頂けましたか?(笑)お気持ちは有り難いのですが・・・。 この状態で、食べれるわけ無いと思いません?普通は。」 「あれ、そうですか?浦原家では、風邪の時はカレーですよ。」 「や、其れは、風邪でしょう。アタシは――」 人の言葉を最後まで聞かず、浦原さんは、黙々とカレーを食べ始めた。 この人は、人様の家で勝手にカレーを食い出しちゃったよ。 今のアタシに、カレーの香りはキツイです。
目を閉じて寝っ転がってる間に、浦原さんは食べ終わったらしく、 お腹一杯になった彼は、こう言った。
「眠いので、一緒に寝ましょう。」
・・・・。 頭が働かなくて、いまいち理解出来ないけど。 之だけは、分かる。
この人は、体温が低い。
+一言雑念+ 昨日は、お休みしてスミマセン。 まぁ、今日のは、なんてこたーない話しですね。 浦原さんのオフな感じは、出てると思いますが。 皆さん、カレーは好きですか? アタシは、最近好きになりました。 友達は「カレーは喉ごしや」と言う子が居ます。 カレーは飲み物、だそうです。(笑) ゴクゴク飲むくらいカレーが好きらしいです。 アタシも、ソコを目指します。(笑) あ、関係ない話しをしてしまった。
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