雑念エンタアテインメント
モクジ 雑念
煙草を1本取り出して、テーブルに置いた。 其れを人差し指でコロコロと転がす。 何度か転がすうちに、先端から細かい葉がポロポロと零れた。 真っ白なテーブルに茶色の葉っぱは、小さくとも浮いて見えた。
「TERUさん・・・そろそろ始めちゃいましょうか。」
事務所の待合室に来たスタッフが、こう言った。 聞かなくても、その表情で分かるけど、一応聞いてみよう。 「来たの?」 「・・・いやぁ、それが・・・。」 苦笑いを浮かべて、“始めちゃいましょう”と催促する。 「何度電話しても出ないんですよね、彼女。 留守電にも入れたんですけど・・・ま、1人少ないですけど、御願いします。」 部屋を出て、廊下を歩きながら話した。 彼は何度も“すいません、ホント”と言った。 謝るのがクセになってるんだろうな。 この業界の性かな、なんて思いながらも愛想笑いで済ませてしまった。 これも、また、性かも知れない。 「そっか、来ないのか・・・あの子。」 「え?」 「や、なんでもない。 行きますかー!なんか、ドキドキするね。(笑)」 「(笑) じゃ、宜しく御願いします。」 彼がドアをノックして扉を開けると、部屋の中には女の子が2人、ソファに座っていた。 彼女たちは、オレを見て“ワァッ”と言い、恥ずかしそうに笑った。 「どもっ、初めまして。(笑)」 そう言って手を差し出して、軽く握手をした。 「ゴメンネ、待たせちゃって。 なんか1人、来れなくなっちゃったみたいで・・・3人で始めましょうか。(笑)」 緊張してるのか、2人とも何処か硬い感じ。 そりゃそーだよね。
だって、オレだもんっ!
アナタのテルちゃんですから。(笑) オレだって、小さい頃に近所のスーパーの屋上であったヒーローショウ見に行って、 一緒に記念写真撮った時、めちゃくちゃ緊張したもんなー。 そんな感じなんだろうな。
それにしても・・・なんで、“来てないのは、あのハガキの子”って思ったんだろ。 やっぱり、やる気のないハガキだったからかな。 選ぶんじゃなかったかな、あの子。 他のハガキ選んでれば、他の子が来れたんだけどね。
其れを除けば、企画はスムーズに進んだ。
“ファンの子と話したい”
オレのワガママ企画。 オレは、我が儘だけど約束を破るようなことはしないよ。
+一言雑念+ 2番目の登場メンバーは、テッコでした! テッコが冒頭で行ってる“タバコをコロコロ”ですが。 やってみたんんですけど、葉っぱは簡単には零れませんでした。(笑) まぁ、そんなことは気にしないで下さい。(笑) 久しぶりにテッコを書いたのですが、ムズカシイッ! もう、テッコの書き方、忘れちゃったよー!(笑) そんなこんなで・・・つづく。
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