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モクジ 雑念

5+ワガママ++TE

煙草を1本取り出して、テーブルに置いた。
其れを人差し指でコロコロと転がす。
何度か転がすうちに、先端から細かい葉がポロポロと零れた。
真っ白なテーブルに茶色の葉っぱは、小さくとも浮いて見えた。

「TERUさん・・・そろそろ始めちゃいましょうか。」

事務所の待合室に来たスタッフが、こう言った。
聞かなくても、その表情で分かるけど、一応聞いてみよう。
「来たの?」
「・・・いやぁ、それが・・・。」
苦笑いを浮かべて、“始めちゃいましょう”と催促する。
「何度電話しても出ないんですよね、彼女。
 留守電にも入れたんですけど・・・ま、1人少ないですけど、御願いします。」
部屋を出て、廊下を歩きながら話した。
彼は何度も“すいません、ホント”と言った。
謝るのがクセになってるんだろうな。
この業界の性かな、なんて思いながらも愛想笑いで済ませてしまった。
これも、また、性かも知れない。
「そっか、来ないのか・・・あの子。」
「え?」
「や、なんでもない。
 行きますかー!なんか、ドキドキするね。(笑)」
「(笑) じゃ、宜しく御願いします。」
彼がドアをノックして扉を開けると、部屋の中には女の子が2人、ソファに座っていた。
彼女たちは、オレを見て“ワァッ”と言い、恥ずかしそうに笑った。
「どもっ、初めまして。(笑)」
そう言って手を差し出して、軽く握手をした。
「ゴメンネ、待たせちゃって。
 なんか1人、来れなくなっちゃったみたいで・・・3人で始めましょうか。(笑)」
緊張してるのか、2人とも何処か硬い感じ。
そりゃそーだよね。

 だって、オレだもんっ!

アナタのテルちゃんですから。(笑)
オレだって、小さい頃に近所のスーパーの屋上であったヒーローショウ見に行って、
一緒に記念写真撮った時、めちゃくちゃ緊張したもんなー。
そんな感じなんだろうな。

それにしても・・・なんで、“来てないのは、あのハガキの子”って思ったんだろ。
やっぱり、やる気のないハガキだったからかな。
選ぶんじゃなかったかな、あの子。
他のハガキ選んでれば、他の子が来れたんだけどね。

其れを除けば、企画はスムーズに進んだ。

 “ファンの子と話したい”

オレのワガママ企画。
オレは、我が儘だけど約束を破るようなことはしないよ。


+一言雑念+
2番目の登場メンバーは、テッコでした!
テッコが冒頭で行ってる“タバコをコロコロ”ですが。
やってみたんんですけど、葉っぱは簡単には零れませんでした。(笑)
まぁ、そんなことは気にしないで下さい。(笑)
久しぶりにテッコを書いたのですが、ムズカシイッ!
もう、テッコの書き方、忘れちゃったよー!(笑)
そんなこんなで・・・つづく。


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宇野 87 |メイル