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モクジ 雑念

17+鉄拳(加筆修正 7/13)

帰ってイイっスよ、って言われてもなぁ。


従業員通用口から出て、店の前の通りを歩いた。
いいなぁ、みんな。
楽しそうで。
何が面白いんだろ、そんな笑っちゃって。
そんな大声で叫ばなくたっていーのに・・・嗚呼、あの人、吐きそうだよ。
あー・・・あ〜あ、やっちゃった。
背中、さすってやんなよ、早く。
苦しそうだな、それにしても。
それにしても・・・あんなんでも楽しそうだな。




 ・・・晴れますか? 明日は




空を見上げて、そんなことを思った。
ネオンが眩しすぎて、あまり星が見えない。
薄っぺらな雲が、まばらに空に浮ぶ。
今夜の空には、月がない。
寂しいな。
何処、行ったんだろう。
寂しいな、なんか。
いーや。
空は、いーや。


見上げた首をストンと落として、正面を向いた。
視界の中に入った、さっきまでの2人。

店の前で・・・何やってんだろ。

座っているテルは気付いてないみたいだけど、その後で立っている
タクロウは此方に気付いていたようで、小さく頭を下げた。
思わず、足早になったアタシは、其の場を去ろうとしたけど
タクロウに“待って”と呼び止められると、自然と足の速度は減速した。
そして、その声で漸くアタシに気付いたテルの表情が、動いた。

5m程の距離を保って、暫く動けずにいた。
待ってと言われたから待っているのだが、彼方は、一行に追ってこようとしない。
通りの真ん中に立ってるアタシは、道行く人の邪魔者扱い。
仕方なく、彼方へ向かうことにした。

 ま、テルには警戒されてるみたいだけどね。

近寄ったアタシを、テルは、相変わらず目を向けようとしない。
頬杖を付いたまま煙草を吸っている。
すでに足下には、数本の吸い殻。

 店の前にゴミを出さないで欲しいな・・・ったく。

吐き出される煙が上がって、アタシの前に薄い膜が出来た。
「何か、御用でしょうか?」
膜の向こうにいるタクロウに言葉を投げた。
「体調悪いって聞いたんだけど・・・大丈夫?」
此方の様子を伺うように、タクロウは言った。

 体調が悪い・・・・浦原さんが、そう言ったのかな・・・。

「あー、はい。大丈夫です。」
特に体調は、悪くない。
唯、少し凹んでるだけです。
少し。
アタシとタクロウの間に座って、此方に目も合わせてくれないテルを見ると。
よけい。

 気持ちが沈んでしまいます。

「そっか。
 おい・・・テッコ。」
呼ばれたテルは、タクロウを見上げるだけで返事をしなかった。
その顔は、明らかにふて腐れている。
誰が、どー見ても。
ふて腐れきっている。










 ゴ ツ ン










ビックリした・・・テルが、コツかれたよ。
テルが・・・タクロウにコツかれた。
アタシの目の前で。
ファンの目の前で・・・タクロウが、テルをコツいたよ。

 目玉が落ちるかと思った。

思わず、上半身が仰け反ってしまった。
アタシは、驚きのあまり言葉を失ってしまった。



 テルの頭上に、タクロウの鉄拳が墜ちたのだ。





+一言雑念+
お久し振りです!
みなさん!此処の存在、忘れてないですか?!
大丈夫ですか?!
たまにしか更新してないけど、忘れないで〜〜〜〜〜っ!
時々は、頻繁に更新してアナタのハートを掴むから!
だから、時々は、思い出して〜〜〜〜っ!

やっぱりタクロウは、保護者だな。(納得)

★加筆−文末から8行、加筆修正しました


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宇野 87 |メイル