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28+ドロンドロン

「あっ、あの!」



浦原さんの後ろを通った彼女に、一通りのことを話した。
すると彼女は、落胆する様子もなく、笑顔で答えた。


「また帰られちゃったか。」

「また、ですか?」

「そうなの。誘ってくれるのに、いつも途中まで。(笑)」



途中まで、ってことは“そういう関係じゃない”ってこと?



「テルくん、お金払って帰ったでしょ?」

「そうみたいです。きちんと清算されて帰られました。」

「やっぱりね。それもいつもなの。
 時々は、私にも奢らせて欲しいわ。」


化粧室から戻った彼女は、綺麗な色の唇で、そう笑った。


「じゃあ・・・私も帰ろうかな。
 テルくん居ないんじゃ、つまんないし。
 ごめんなさいね、本当に。
 今度は、きちんと頂いて帰りますから。」


個室へ戻った彼女は、鞄を持って出てきた。

そして、ボーっと其れを見ていたアタシに手を振って店を出た。





 −お金、あの人から返してもらった方が早かったかな−





そう気付いたのは、家に帰って、湯船に浸かってる時だった。


 ←拍手とコメント宜しく哀愁!
宇野 87 |メイル