雑念エンタアテインメント
モクジ 雑念
「唐揚げ、もっと食いたかったなー。」
タクシーから降りて、事務所の玄関へ向かう階段で独白。 周りに誰も居ないのを良いことに、カラアゲカラアゲ と繰り返した。
打ち合わせの話なんかあったかな。 いまだに思い出せないんだけど。 ・・・若年性ナントカ、だったらイヤだな。
エントランスを抜けて、上りのエレベーターを待った。
酒の所為で、頭が働かない。 いつもに比べると、この量は大したこと無いけど。 それでも、アルコールが脳細胞を少し占拠してるのが分かる。
ぼんやりと
ほんのりと
きもちいい
「テルさん!担当さん、カンカンですよ。(笑)」
エレベーターの開いた扉から降りてきたスタッフ。 打ち合わせを忘れてたオレに、愛嬌交じりの野次が飛んできた。
「マジで?(笑)」
「そりゃもう御立腹です!」
「酒、残ってんのに、やべー。(笑)」
うははは(笑)お疲れ様、と言ってエレベーターに乗り込んで扉を閉じた。
「酒がー・・・」
大した量も呑んでないのに。 酒の所為にして、仕事、休めたら良いのにな。 毎日呑んじゃうのに。
数十秒後、扉が開いて、また野次を浴びたのは言うまでも無い。 誰だよ、言いふらしたの。 仏のオレも黙っちゃいないっつーの。
待たせてしまった担当さんに謝罪して、別室へ移動した。 ガチャリと回したノブの音が、やけに頭に響く。
思った以上に、アルコールが脳細胞を占拠してるのかもしれない。
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