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| 2005年11月10日(木) |
ひき逃げの交通心理学 |
桐生正幸. (2005). 「歩行者とドライバーの交差(衝突)ー交通ひき逃げの事例検討と研究の提言」国際交通安全学会誌, 30, 2, 30-37.
ご恵贈いただきました。 著者が直接事件現場を観察し、また、犯人からインタビューをえた15事例のなかから、6事例が抽出され、「ひき逃げ」にいたる過程が再構成されている。
自分も車を運転することはあるから、事例を読んでいると怖くなる。自分も、もし人をひいてしまったりしたら、パニックになるだろうなあ。こういうときに「注意せよ」というアドバイスは、少なくともドライバーにはあまり効果がないだろう。
というのも、よっぽど悪質なドライバーでもないかぎり、本人は「注意して」運転しているはずだ。事故をおこしたという事実によって、当時「不注意」であったという心理状態が再構成されるといったほうが適切だろう。「不注意だから事故をおこす」というが、少なくともドライバーの視点からすれば、「事故をおこしたものは不注意なんだな」というものだろう。
その点、この研究が示唆するように、ヒューマンエラーを低減する方向での検討が進んだり、事故後パニックに陥らないでもすむように、すみやかに対処するための手続きを、教習所の段階から教えておくことというのはとても大事なことかもしれない。そういえば、教習所って「飛び出して来た人」を轢かずに急ブレーキかけたりする訓練はするけれど、轢いてしまったらどうするかという訓練はしていないからね。
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hideaki
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