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| 2004年09月07日(火) |
なつかしい未来と、性役割 |
日本心理学会のポスターを印刷してしまってちょっとうかれた気分になったので、トランスワールドジャパン社からでている『POPULAR SCIENCE日本版』を購入。「今、そこにある、藤子F不二雄の世界」という特集テーマで、なかなか面白い。
なかでも、茂木健一郎さんが『パーマン』の最終回にことよせたコラムを書いておられて驚いた。茂木さんはクオリア概念で一世を風靡した世界的な天才科学者である。その茂木さんがパーマンを知っているとは・・・。
パーマンの最終回は、パーマン1号が、宇宙人の住む星へ、本当の正義の味方になるための留学をするところでおわる。宇宙船にのり、ダイナミックに空にUFOがとびだしていくシーンが最後のコマだ。
茂木さんは、途方もないひろい宇宙にでて、これからパーマン1号が体験することの大きさを考えたら軽いめまいを覚えたのだという。
パーマンの最終回が掲載されたのが1969年。当時、科学技術が進むことに誰も疑問をもっていなかった。パーマン1号が宇宙船にのってとびだしていく未来は、おそらくそんな夢にあふれた世界だ。
科学が単純に発達していくということをもはや信じられなくなった現在では、もう想像することのできない未来、すなわち「なつかしい未来」だと茂木さんは書いている。
おそらく、「なつかしい未来」はみんなの心のなかにある。精神分析的にいえばエスとはそういうものだ。みんな母の子宮(そこではなんでもできるという万能感に満ちあふれていることができた)にかえることを夢見ながら、ついぞ叶えられずに、現実原則の世界でなんとか生きぬかなければならないのだ。
そう考えると、パーマンという漫画には伝統的な性役割観がサブリミナル効果のように描かれているというふうにも読める。ドジでにくめないパーマン1号はみこまれて宇宙に留学したが、才能に溢れているけれどパーマン3号こと星野スミレは地球にとどまる。
そして、大人になり名声をほしいままにしているけれど、恋人の噂のない星野スミレは、『ドラえもん』のなかで、のび太とドラえもんに「今でも宇宙にいったボーイフレンドの帰りをまっている」と告白するのだ。
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hideaki
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