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2004年09月04日(土) エンゲストロムあらわる

朝から新幹線にのって東京へ。
東京大学でYrjo Engestrom教授の講演会。
はじめての生エンゲストロム。髪を短くかりこみ、口ひげを蓄え、バリッとスーツなんかきて、かっこえ〜〜(ただのミーハー)。

エンゲストロムは独自の観点からアクションリサーチを行っている。自らのアプローチを、デベロップメンタルワークリサーチと呼んでいる。今日の講演では、そのエンゲストロムの理論の最新版を、彼がヘルシンキ市内の総合病院でおこなっているフィールドワークのデータを交えながら話してくれた。

これまでエンゲストロムの介入的アプローチ(というよりも、日本での受容のあり方というべきか)は、どちらかというと暴力的に現場に介入していくといった印象があって違和感をもっていた。例えばスクールカウンセリングのような実践を考えると、学校をかえていくことが求められることは間違いないが、日本の臨床心理士の入り方は非常に慎重なように感じるし、変えてやろうというような意識が強くですぎるアプローチはどうも好きになれなかった。

しかし、今日きいてみるとエンゲストロム自身は、現場の抵抗を変化に不可欠な要素とみなしており、むしろ研究者に諸手をあげて賛成するようなコミュニティよりも、なんらかの"resistanceがあるようなコミュニティの方が望ましいといっている。

また、変化はこちらが与えるものではなく、成員間での相互作用によってうみだされる。そして、そのなかでは研究者が当初思い描いていた仮説が崩れるという痛みをのりこえることが必須だというし、その変化に際しての権力関係といったものにも敏感になる必要があるという。

やっぱり実際に聞いてみないと、本当のところはなかなかわからないのだが、エンゲストロムのアプローチもそう悪くないという気がしてきた。

スクールカウンセリングなどで現在、問題になっていることも、学校だけで問題が完結するようなものはなかなかなく、例えば虐待のように、あらゆる種類の専門職が協同しなければならないような場面が増えている。

こういった仕事のあり方は、今日、エンゲストロムが21世紀の労働のあり方としてしゃべっていた状況ととても似ている。スクールカウンセリングなどにとってもよいモデルになるのかもしれない。


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