I create you to control me
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暑い暑いといっていたら、ここ数日は夜はソヨソヨ涼しい風が吹き込んできていい感じ。こうでなくっちゃ。すすまないすすまないといっていた原稿も、ちょっとなんとかなるかという感じがしてきた。まだまだ初めの第一歩なのだが、なんとか7月中にできるだけ多く書き上げなくては。
マイケル・ホワイトの『ナラティブセラピーと魅惑的な人生』の翻訳もちょっと遅れぎみ。著者によれば、personal failure は、近代的な規範システムのほころびをついて、オルターナティブな現実をひきよせる手がかりになるという。あるカウンセリングルームのスタッフでありながら、スタッフ間での会話に、クライエントへの敬意の欠如を読みとり、どうにも違和感を感じてしまう青年の事例がのっていた。
failureといえば、マクダーモットとバレンヌの主著も"Sucsessful failure"だった。「失敗」とは実はシステムの成員間の齟齬であり、それがなぜか特定の個人の失敗として収束するということを強調している点では、両者は似ている。ただし、マクダーモットは徹底して相互行為の水準にとどまり続けるが、ホワイトはすぐに近代的な規範システムといったマクロなところにいってしまう。
江原由美子は『ジェンダー秩序』のなかで、二つの言説分析として、フーコー流のディスクール分析と、エスノメソドロジカルな会話分析をあげている。そして、ギデンスの「脱ー埋め込み」概念を利用して、その相互関係について整理している。すなわち、近代社会では個々の状況からきりはなされた言説が叛乱しており、差出し人不明の言説と読み手の関係が成立してしまうのだという。
ふむ。件の原稿にも参考になる。
それにしても締め切りがあるようでない原稿、いくら遅れても他の執筆者に迷惑のかからない原稿というのは、かなりモティベーションが高くないと書けない。ついつい雑事にまぎれてしまう。
『日本けつかっちん党』単独過半数の日も近い。
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hideaki
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