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2004年06月15日(火) 気が狂わないようにすること

 先日の母校での発表では、おもいがけず後輩から「どうして松嶋さんはそんな立場をとるにいたったんですか?。そのヒストリーを。」と、皆の前で自己語りをすることを求められてしまった。

 「公式見解としてはね」と、もはやFAQとなったストーリーを語ってあげたら満足していた。しかしね、人間、そんなに自覚的にある方向性をもっているわけではないよ。ね。

 だって、全てを話すわけはないし、そんなの無理だし。バフチンの発話の宛名性ではないが、人は自らのストーリーを語るとき、常に聞き手の応答を先どりして、その都度、適応的な自己を構築しているんじゃないのかなあ。

 そして、人間、適当な話の着地点をみつけると、なんだか自信をもって声高に語れだすからおかしなものだ。それまで幾度となく「どうして?なんのために?」がわからなくなって、そのたびにしんどい思いをした。そういう時には、自分が何をいってもわかってもらえる気がしないし、実際、わかってもらえていなかった。「俺、なんかおかしいんちゃうか」と真面目に考えたこともある。

 いま、こうやって研究が続けられてるのは、なんとか話の着地点をみつけられただけのことだ。宛名というのは、相手に届くから宛名だ。誰にも聴きとってもらえない声もある。研究過程ではみんなそうじゃないか?。

 みんな研究過程では大なり小なり創造的で、地に足のついていない(いわば病気のような)時期があるのだろうが、その結果として、聞き手のいる着地点を探しだせた(おさまれた)人は立派だといわれ、そうでなくて頑張っている人は「あの人はかたよっている」といわれる。

 そう考えてみると(あのー、ちょっと飛躍してるが、長くなったのでしんどいのでこのへんにしとく。)話がクリアーになることも、一概に良いとはおもえなくなってくる。





 







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