I create you to control me
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今日は、午前中、家にこもって原稿書き。
午後、専門学校から帰ってきて、5限目は「ここから研」。今年の3月に本学で博士号をとられた水野有由さんの発表。水野さんは2月の公聴会の後すぐにギニアはボッソウというというところのチンパンジーを観察にいかれたそうだ。普段は霊長研で飼育下のチンパンジーをみているので、野生チンパンジーもみておこうという主旨らしい。今日はその報告会。
ビデオクリップがいっぱいあっておもしろかった。
子どもの死体をかついだままミイラ化しても持ち運び続ける母親の話。先行研究などふまえると、チンパンジーでしかみられない行動であるらしい。安易に心理主義にはしるのはよくないが、「死」の概念の芽生えなのかなどと想像してしまう。
そうなると最後に死骸を手放すところが問題になるのだが、1例はよくわからず、もう1例は群れの移動途中にうっかり落としてしまったということだ。後者の母親はその際、大変な興奮状態であったという。観察者たちが少しでも近付こうとすると、威嚇して動くなというサインを送ってきた。探し続けたいのだが群れからはずれるわけにいかず、「泣く泣く」遺棄したのだそうだ。ちなみに母親はその後、再びオスをつれてもどってきて捜索したのだがみつけることができなかったという。
チンパンジーに「死」があるのかないのか、よくわからないけれども、しかし、そんなことはともかくとして心動かされる話であった。
ところで、本筋からはずれることだが、調査にはギニア人のガイドが随行していた。
水野さんにきいたところ、定収入の少ないギニアにあって、彼らはかなりの高収入らしい。また、ギニアでもチンパンジーは怖い生き物とされているので、毎日のようにチンパンジーを追い、外国人とわたりあっている彼らは「かっこいい」存在なのだそうだ。文化人類学でも「ネイティブとは誰か?」などといわれる昨今、「野生 vs 飼育下」といった対立項も、本当はそんなに単純ではないのかな、などとちょっと思った。
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hideaki
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