2005年04月17日(日) |
「雨と夢のあとに」/柳美里 |
柳美里は以前から苦手でほとんどまともに読んだことはなくて、 ただこの本はドラマ化のCMがとても気になって、どうしてもTVではなく読みたい、と思って買い、一気に読んでしまいました。
すごく・・・印象深いお話でした。ただせつなくなりました。 少女のお父さんへの愛と、お父さんの少女への想い、現実と49日間だけの幻。
お父さんと一緒の夜はいつも雨なんだけど、中に出てくる古い歌(詩)たちがますますその幻想的な夜の雰囲気を作り上げていて、その中で少女はだんだんと現実と幻想に気づいてくる。 でも、気づきたくない、分かりたくない。 その12歳という多感な時期の少女の気持ちと同時に現実をまっすぐに生きなくちゃいけないという彼女なりの責任感・思いがすごく伝わってきて、そしてまた49日間だけでも出来るだけ娘の側にいたかったお父さんの気持ちも、最後の別れのシーンはとにかく切なかったです。
いつも決まった作者の本を読みがちでしたが、柳美里の筆力というか、新しい感動に出会えた気がします。 ドラマはまだ始まってないので(しかも見るかも)分かりませんが、いい本だと思います。
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