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2004年07月19日(月) お父さん

父が亡くなって早いもので8年。
私はまだ21だった。
朝、いつものように会社に行き、昼過ぎに電話が。
当時、勤めていた会社を辞めて家で家事手伝いをしていた私は
何気なく電話を取った。

「○○警察署のものですが…」

それから現場に行って警察の人の話を聞いて、葬儀の準備をして…
当時生きてきた中で一番慌しくて、一番苦痛で、記憶がとんだ1週間だった。
学生だった弟たちも大人になり、私は結婚して子供をもうけた。

忙しい日々の中で父が居なくなった事がだんだん風化して
毎月のように墓参りに行っていたのが
数ヶ月に1度になり、今では年に数回になっている。
生きているのだからそれも仕方ないことだとは思うけど
人の気持ちってやっぱり変わるものなのだなぁと
母を見て思ってみたりする。

母には、現在付き合っている男が居る、らしい。
「らしい」、とくくられるのにはそれなりに訳があって。
出入りしてて、顔は知っているのだが、それが何処の誰なのかを
私たち兄弟は誰も知らないと言う事なのだ。
名前も、仕事も何処に住んでいるのかさえ私たちは知らない。
言ってしまえは、近所のおっさんと変わらない。
そんな人間が出入りして私たち兄弟としたら面白くは無い。
無論、挨拶をするつもりもこちらとしては無い。

母はそれが面白くないらしい。
でも、最初の取っ掛かりが蹴躓いていると言うのに、私らにどうせいと?
娘も居る手前、いい加減にしてくれとは何度も言ったけど
改善されるどころか、家の鍵も渡している始末。

…まだ若いんだから気持ちが解らない訳ではないけど。
それでも、最低限のマナーというものがあるはずだ。
それを説いてきたのはほかの誰でもない、母自身ではなかったのか。
変われば変わるものだ(苦笑)

今の母は、「母親」ではなく「女」になっている。
そんな姿を見ながら私は自分の姿に摩り替えてみる。
娘は、今の私と同じなのではなかろうか。
「彼」(!)という存在がいきなり出てきて、母親が「女」になっている。
それを見て、私と同じ感情が出るのではないだろうか。
幼いから、大人だから、そう言う事もあるだろう。

今日、父の墓に5ヶ月ぶりに行った。
思っていた通りに草が生えて、手入れがされていないのが
目に見えて解る。
草むしりをして花を手向け、墓前に手を合わせてみる。

お父さん?
好きな人ができました。
娘の父親と別れたときにはもう、こんな気持ちにはならないと思っていたのに。
娘が居て、彼と共に在る事は望んではいけない事なんでしょうか?
彼とこの先、どうなるのかは解らないけれど。
一番見える所で、きっといつもの通り怒ってるんでしょうな(苦笑)
お父さん、死んでからも心配かけてごめんね。
とりあえずはもう少し大人しくしててよ。

きっと、未来は明るいはずだから。
今日と同じ明日は無いはずだから。
みんなで幸せになって見せるから。



れい |MAILBBSAROMA

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