縁側日記  林帯刀





2006年04月06日(木)  感性。


本なり、作品なりにふれると、いろいろな感想を抱くもの。
おもしろい、せつない、好きだ、嫌いだ、
あんな匂いがする、どこどこに似てる、
そういうのがたくさん生まれる。

でも、それを言葉にして言うことってむずかしい。
言っても、何分の一か、数%。
表に出すっていうことは、「相手」のことを考えなくちゃいけないし、
自分で「これはちがっているかも。自信ないな」ということは、
なかなか出しづらい。

自分の中にしかない感想って、
読むたびに変わったり変わらなかったりするのは当たり前だけど、
それを自分だけのものにしてるのは、
案外、もったいないことかもしれない。

私は、「良し悪し」を言うのが苦手で、
特に悪い評価はできるだけ言わないようにしてきた。
「おもしろい」とか「好きだ」とか、
そういうゆるい表現しか出していなかった。
自信がなかったから。
でも、もう「これはいい」「これはよくない」って、
言ってもいい気がしている。
自分の出した評価がまちがっていることを怖がって、
何も言わずにいるのは、心臓にわるい。

そういう「良し悪し」も含めて、
自分の抱いた感想はだいたい伝えられるひとのいるいないで、
感性の有り様は、全く変わってくると思う。

見方を変えれば、無意識でも、
そのひとのことは、信じているんじゃないだろうか。



私はどうなんだろうな。
誰の顔も浮かばないんだよね。


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