2013年12月30日(月) 渋谷区のホームレス追い出し事件
昨日の夜、渋谷の繁華街のド真ん中にある宮下公園が大変なことになっていた。
宮下公園については、渋谷区が公園をナイキの名前を冠して、ナイキからスポンサー料としてお金をもらい、反対運動があったにも関わらず、ホームレス追い出しなどを盛んにしていて、よくニュースなどで目にしてきた。区立公園を1企業に差し出すって、そもそも許されることなのだろうか? 勉強不足でそこは分からない。
その宮下公園の、ナイキが使用してない部分に支援者がテントを設営し、そこで炊き出しなどを行い、ホームレスの人が寝泊りをしていたそうだ。どうして宮下公園にこだわるの? という疑問もふと浮かぶが、元々渋谷区には公園は少ないし、代々木公園もホームレスの追い出しは進んでいるし、駅から近く、空き缶拾いや週刊誌拾いなどをするホームレスの人が集まるには便利な場所なのかもしれない。
そしてそれ以上に渋谷区もこの宮下公園に何故底までこだわるのか?と疑問に思うくらい、宮下公園のホームレス追い出しに渋谷区は熱心で、昨日も夜8時過ぎに「すべて撤去しろ」と渋谷区役所の土木課の黒柳部長が「公園の管理権」をたてにして、言って来た。12月29日日曜日。もう年末で、役所もどこも仕事納め。冷え込んだ夜に、だ。
そして10時過ぎに渋谷警察署から数十人の警官がやって来て、いきなりの強制排除。テントからホームレスを追い出し、支援者十数人も追い出した。テントに寝ていたホームレスの1人は、金曜日に路上で転び、頭を強打、あまりの痛みに役所に救いを求めたものも門前払いを喰らい、支援者が病院に連れて行ったところ、頭蓋骨が骨折していた人もいた。その人のためだろうか? 救急車が呼ばれたが、ホームレス仲間の証言によれば「病院に運ばれても、薬を渡されて追い出されるだけ」と話していた。私も実はそうした光景を実際に見たことがある。中野総合病院で。ホームレスの男性が、ひどい咳をして、頼むからここに座らせていさせてくれ、と涙ながらに訴えても追い出されていた。あのとき、なんで私は怒らなかったんだろう? すごい後悔している。
ひどい仕打ちの連続に、福島瑞穂の秘書の女性が駆けつけ、警察と区役所職員に、礼状のようなもの(?)を出すようにと、問いかけたのに、まったく反応なし。12時を過ぎる頃にやっと黒柳部長と部下らしき人が出てきたが、「荷物だけは運びだせばいい」と言い、では追い出されて次に行く場所は?と問いても、「わからない」と言うだけ。厚生労働省は、この年末年始に「生活困窮者に対する年末年始の緊急一時的な宿泊場所の確保」という通達を全国の自治体に出しているそうで、もちろん支援者たちも渋谷区の福祉課の担当者の名前を知っているから、その人に今この場で連絡をしてほしい、携帯の番号を知らなくても、渋谷区の福祉課は24時間体勢でいると、あらかじめ支援者たちに伝えていたそうなので、区役所の緊急連絡を行ってほしいとお願いしても、「できない」の一点張り。役所が開く正月明けまで待てというのだ。
寒空の真夜中に、人をテントから追い出しておいて。
そのうち黒柳部長は警察たちの中に逃げこみ、さらになぜか「荷物も取り出させない」などと意地悪としか思えないことを言い出した。支援者たちは近くの別の公園に小さなテントを2張、たてて、そこに緊急でホームレスさんをかくまったそうだが、荷物はその後どうなったんだろう?
とにかく非人道的な行為。憲法25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とうい条文がある。明らかに渋谷区はこれに反している。
などと言う前に、目の前で凍える貧しい人を、権力で追い出し、毛布も寝袋も返さないなんて! 人として最低もいいところだ。はっきり言って「人殺し」だ。
渋谷区はそういうことを昨夜、した。この年末。2013年という最低に酷い年の最後に、この年を象徴するような、そして来年はこういうことがいっぱい増えるであろう、というようなことをした。本当に見ていて涙が出たし、なんて国だろうか!と呆れた。
しかし。
本当に恐ろしいのは、実はUSTを見ている、ネットのこちら側だった。
そういうUSTやツイキャスの中継を見ながら「税金払ってない奴は権利言うな」とか、「公園占拠がそもそも問題」「警官に食ってかかってどうする」「サヨはホームレスの味方だね」とか、そういう書き込みをする人たちが少なからずいたこと。
なんてことだろう。中継で、貧しい弱者が権力に追い出されているのをあざ笑う。きっと、そんなことを言う人たち自身もそうそう強者の側にいる人間ではないだろう。というか、本当に幸せな人間なら、弱者を叩いて笑ったりしない。そんなことを言うのは、本人がどんなに否定しようと、不幸な人たちだ。
そしてそういう人たちは、この間「黒子のバスケ」の著者を脅していたような弱者と通じる人たちだろう。自分が逆境にあることで、社会を怨み、復讐をする。言葉で。脅迫で。
これって、私もすごくよくわかる。私だって、ウツウツ悲しみ社会からうち捨てられた気持ちでいた今年の春頃、近所のきれいに咲きほこる花壇、踏み潰してやりたい!!と思ったし。。。。そうなんだ、とにかく社会みんなが憎悪の塊になる。でも、今はそれは間違いだとわかる。弱者がすべきことは憎むことや復讐ではなく、というか、唯一できる社会への復讐は「学ぶこと」なんだ。花壇を踏み潰したり、意地悪な書き込みをすることでも、有名な漫画家を脅すことでもない。
「学ぶこと」だけが、唯一、弱者ができる社会への復讐だ。学ぶことで、自分の環境も社会も変えられる。それしかない。学び、自分の権利を知り、行使する。学び、社会を変えようと呼びかける。学ぶことしか、弱者が社会に勝つ方法はない。そして学ばないうちは、弱者は悲しいかな、永遠に弱者だ。
ああ、そうそう。昨日の中継中に、ホームレスの人たちが「入れる」とされる渋谷区や東京都の使う施設は狭い部屋に7人も押し込まれ、夜8時には電気が消えて真っ暗。プライバシーもまったくなく、刑務所のような場所で、とても普通の精神状態でいられるところではないそうだ。だから、施設に行けばいいだろう、などと簡単に言わないでほしい。日本は基本的人権がすでに崩壊している。明日は我が身と思って、みんなにこのことを知ってもらいたい。
もちろん、私にとって、ホームレスになることは常に明日起こること。だから、死ぬほどツイートもしたら、ツイッターが一時、凍結されてしまった。やれやれ。