ひぽこんコラム

2006年07月03日(月) ポチだった頃

 きのうポートボールのことを書きましたが、ポートボール、みなさんは経験ありますか?
 基本はバスケなんですが、あのゴールのカゴの代わりに台に上ったキーパーみたいのがいて、その人に投げて、その人がボールを確保できたら得点になります。でもそのキーパーの前にはディフェンスの敵がいつもいて、シュートを阻止しようとするのです。だからキーパーの前にいる人がサッカーにおけるキーパーみたいな、そんな感じです。
 このポートボール、私が小学校時代はすごく盛んで@静岡県、こういうのは大体いつも各町内ごとのチームとなって、その小学校の学区内対抗で大々的な大会が開かれておりました。
 で。私は小学校4年の末に静岡県の沼津市内で引越しをしたのですが、それまで住んでいた海辺の地区はすげぇのんびりしたところで、一応そういうポートボール大会とかもあったようですが、「まぁ、適当にぃ」みたいな感じで、商店街だったから父兄も忙しくてそんな子供の遊びにかまっちゃられなくて、「あんたらでやりな」とほおっておかれ、当然いつも1回戦負け〜で、気楽なもんでした。
 で、新たに引っ越した地区は新興の住宅地で、でもまだ回りは田んぼだらけ。春には田んぼに蓮華が一面に咲き、5月もすぎると蛙がゲロゲロ鳴く、そこもまたすごくのんびりしたところでした。が!!そういうのんびりした農家のオッちゃん&オバちゃんたちが、なぜだかやたらと熱かった!おもいきり体育会系で、ポートボール大会に命を燃やしていて、「中学高校の部活動」も真っ青なくらいの熱血指導っぷり! 田んぼもほったらかしなのか、毎日放課後練習!なんて感じ。ええっ?マジっすか?なのである。
 もしこんなんがその後の私だったら「知らぬですわ」と耳に綿でも詰めて、居留守使ってシカトですが、まだ当時は小学校5年生。従順でした。ポチのように。「し〜ずか〜〜ちゃん」と呼びに来られると「はぁああい」と返事をして、私は近所の子らと連れ立って練習場となってる寺の駐車場へと赴き、「まずはマラソンっ!」などと首の血管浮かして叫ぶ近所の農家のオヂの熱い熱い掛け声に恐れを抱きながら、ゼイゼイと走ったりしていたのでした。
 そして練習は毎日毎日大会まで続けられ、毎日2時間くらい玉を追いかけさせられ、しかし運動神経というものがない私は「よし、和田、おまえはキーパーだな」とある日命じられ、台の上にボオオと立ってボールがやってくるのを待ちました。
 しかしとにかく従順なポチだった5年生の和田。「とにかく落ちることを怖がらずにジャンプしてボールをとれ」と言われた通りにボールが着たら必ずジャンプしてボールを絶対とっていたら誉められ、誉められるとうれしいポチ。さらに一生懸命ジャンプし。いつのまにやらそのキーパーの座が定位置となったのでした。
 
 練習は厳しく、激しく、徐々に熱血オヂに感化されていく子供たちの中から、サブ指導員のような存在が生まれまてきました(子供は瞬く間に感化されますね)。キャプテンのK子ちゃんはその中心で、ボオとしてるといきなりボールを投げつけてきたりして、私もいきなりボールを頭にぶつけられ、怒鳴られたりして、驚いたこともありました。しかし当時は熱血=暴力な戸塚式が当然だったような世界でしたので、ポチ和田はそれにも従っておりました。
  そして大会を迎えました。ポチ和田のチームは3位に。3位だって前の町内の1回戦負けにくらべりゃ相当なモンなのですが、連日2時間もの熱い熱い練習に耐えてきたポチとポチの仲間たちはオンオンと、まるで今回のベッカムのように(笑)泣いて、悔しがったものでした。熱い熱い体育会系の日々でした。

 その後、私の人生にはポチになることも、体育会系になることも2度と訪れなかったのですが、ある日大人になってから実家に帰ったとき、母と私がそのキャプテンだったK子ちゃんの家の前を通ったら、母が思い出したように「ああ、そういえばK子ちゃん、離婚したんだって。だんながしょうもなかったらしい。子供ふたり連れてきて大変らしいよ」といいました。ふ〜ん、と聞きながらも、あの戸塚式のK子ちゃんにそんな未来が待っていたのかぁと思いました。そして超熱血の中心にいた町内のオヂは私が大人になる前に、アッサリと亡くなってしまったことも聞きました。聞いたときはオヂの血管がプクッと浮くのを思い出したりで、ああ、と思いました。

 と。ふと、こんなことを思い出して書いてしまいました。しかしそれって30年も前の話やんっ! 信じられん。あれから30年も生きてきた自分にビバっ!

PS:うわ〜ん。さっそくマーズ・ヴォルタのオマー様へのインタビュー起こしがあがってきました。迅速な通訳様に感謝感激。そしてオマー様はものすごく誠実で誠実で誠実で誠実で。そして本物本物本物の芸術家です!涙です!こんな人に巡り会えて、本当に本当にうれしい!
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