| 2003年12月27日(土) |
>>『穴』・・・そして。 |
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穴に落とされて2週間・・。
もはや、私の体力と精神力は限界に近い・・・。 今週初めに周りのヤツには内緒で、1000ペリカ出して 購入した「100円チョコ」もさっきの1粒でもう終わり・・。
「はぁ・・はぁ・・。」 も、もうすぐ終了時刻だ・・。
まだかまだかと終了の合図を待つ私・・・。 だが、いっこうに作業終了の合図が流れない・・。
「ざわ・・ざわ・・」 「ど・・どういうことだ・・・!?」
するとその時・・・!
「ビー−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−!」
「・・・業務連絡、業務連絡。全員直ちに作業を止め、 すみやかに上のフロアまで上がってくること・・・ブチッ!」
「ざわざわ・・ざわざわ・・」
周りがどよめく・・・ これから一体何が行われるのだろうか・・・!?
階段を上ると、上フロアには会社上層部の幹部連中がそろっていた・・・。 そこには社の連中と上手く迎合し、なんとか「穴」送りを免れた かつての同僚たちもいた・・・。
全員揃ったところで、社ナンバー2が登場した。
ヤツは社員を奴隷のように扱う男で皆からも大変嫌われているが、 社内での重要な資金運用、人事権・・などを社長から全て一任されているため に、社員からは極めて恐れられている男である・・・。
私に『穴』行きを下したのも、無論コイツだ。
「・・・。
フロアに冷たい空気が張り詰める・・・! 少し経った後に、ヤツが重い口を開いた・・。
「・・・本日は勤務ご苦労様でした。先日、勤務中のビデオを 社長にお送りしたところ・・・日頃熱心に働く皆様の姿に 社長は大変感服しておられました。そこで、社長たってお申し出により ・・君たちに大変いいお知らせがあります・・。
本来ならば・・我が社に休日などないのが必然であり、 そうしなければ皆さんの生活は保障しない・・・というのが、 社のルールではあるのだが・・・
・・今回は『特例』として、 明日から「長期休暇」を進呈しようと思う・・・。期間は8日間・・・! これは本来なら10万ペリカ必要な「一日休暇券」の8枚分に相当する。 正に、太っ腹。大判ぶるまいだ!はっ、はっ、は−−!
・・・社長に感謝するがいい・・以上、これにて解散」
ざわざわ・・ざわざわ・・・ 周りがどよめく・・! 歓喜の雄たけびをあげるやつもいれば、泣き出すヤツもいる・・。 私達『穴』の人間には特に嬉しかっただろう・・・。
しかし私はどこか腑に落ちない・・・何かが引っかかる・・・。 奴らの儲けを減らしてまで何が・・!? いったい奴らは何を企んでいるっ・・・!?
まぁ・・いい。とにかく解放されたんだ。 それでいいじゃないか・・・今は。
・・・。
ずいぶん『穴』にいたせいか、今日が何日だったかあまり記憶にない。 コンビニに行った私は、とうの昔に切れた携帯の電源を復活させた・・。
・・・・・・!!!
今日は12月28日じゃないか・・・! なんだ・・「長期休暇」ってのは単なる「正月休み」か。 あの会社にも盆と正月はあるってか?そいつは助かったぜ・・。
さ〜家帰って何しようか〜・・・。
「あっ・・・」 思わず、私は自分の口を押さえた・・・!
「12月・・・28日・・・?」
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
”あの日”だったんだ・・・。 長期間の『穴』生活のためにすっかり忘れていた。
私はポケットにありったけの軍資金を詰め込み、 ”蒼い地下室”へと向かうことにした・・・。
どくんっ・・!ドクンッ・・・! 何とも言えない緊張感に包まれるっ・・・!
・・・。
今度負けが込めば、確実に『別室』行きだ・・・。 それだけはゴメンだ・・・。 あそこは『穴』の比じゃない・・・。
私は夢と希望を載せたキャリアーをぐっと握り締めた・・・。
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