| 2002年12月05日(木) |
>>何故こんなにDJはレコードにこだわるのか? |
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なぜDJはレコードなのか?・・・CDではなくて。
GROOVERのお客さんにもそう不思議に思っている人も多いかも知れない。 もしくは、「あ〜まあそのほうがカッコイイからなんちゃうん?」みたいに 暗黙の了解みたいな感じで、勝手に納得されているのかも知れない。
でも、「CDの方が音はいいはずなのに、なんでDJはレコードなんだろう?」 とも、思ってるでしょ?
今回はこの辺の仕組みと、あえて僕がレコード盤にこだわる理由みたい なのをたらたら書こう。
CDが出来た当初である80年代はかなり音は悪かったが、 2000年代の今となっては リマスターの技術も発達してきたのもあって、「音は良い」と断言できる。 80年初めまでの音源は、リマスターによって格段に音質は向上している。
アナログ盤の魅力は、「音の質感」だ。ナマ音感がCDに比べて高い。 こればかりは、いくらリマスターが発達していようとどうにもならない。 特にアナログの12インチ・シングル盤から発せられる「音圧」は、 機械によってコントロールされたデジタルな音からは、決して得られない。 DJがアナログに病みつきになる理由の一つである。
アナログは、LPに比べEP(シングル盤)の方が収録曲数が少ない為、 圧倒的に音が良い。70年代後半から起こったDISCOやHIPHOPブーム のおかげで、音の良い12インチ盤がたくさん作られた。
この動きはロック系にも派生して、12インチ盤は当然のように作られ また”お約束事”として、その曲の”ロング・ヴァ―ジョン”も DJプレイ用に作られた。
90年代に入ると、CDがシェアの大半を占めるようになって アナログは徐々に特殊な存在へとなっていく。 HIPHOPやTECNOなんかは、CDが売れる前のステップとして フロア・ヒットが優先されるので、アナログは優先的に作られた。
しかし初めから大衆向けに売ることが可能なロックは、 聴きにくいアナログを作るよりも、便利なCDを作るほうが良かった。 それにより90年代前半はロックのアナログは、プレス数が少なく 入手が比較的困難だ、とも言われるようになる。
しかし、90年代以後も細々ながらもロックのアナログ盤は作られていた。
しかしそれはコレクター的なファンに売るためであり、 それによりDJ的には「意味不明」としか言い様の無い、 「ピクチャー盤」という抜群に音の悪い(!)飾りものまで、 登場することとなる・・・。
シングル盤にしても、お金のないインディーレーベルは 高い12インチ盤よりも、その半額程度で作れる7インチ盤 (LPに比べれば良い音質だが、12インチとは比べ物にならない) をそうしても作ってしまうこととなる。
もう、現在まで12インチ盤を作りつづけているギターバンドは、 オアシスとレディオヘッドぐらいじゃないの? オアシスは絶対7インチも作るしね。
もっと12インチ盤作ってくれぇ〜、レコード会社様っ!!
「えっ、じゃーやっぱりCDでいいんじゃないの??」 ・・っちゅーツッコミもやっぱあるわなー。
・・・これは、あくまで僕の意見なんだが。 僕はアナログの「音」の方が「好き」なだけなんだな。
ちなみにアナログの音は「悪い」のだ、実際の話。 でも、そのナマ音感を伝えているのは「ノイズ」であって、 CDはそれを消しているから「クリア」で「いい音」なんだけど、 僕にはそれは「いい音」には聴こえないんだ。わかる??
僕の大好きなニルヴァ―ナ。
ファンの諸君は彼らのアナログの最近の盤と昔の盤で、 「音が違う」のは、知ってるかい? 「ネヴァーマインド」なんて、もう10回以上はリプレスされているけど、 最近のプレスは、どんどん「音が良く」なってるかわりに、 どんどん「混沌さ」を失ってるんだ。リマスターによってね。
う〜ん、ムズカシイでしょ?どっちがいいですか? 「グランジの空気」を多く匂わせてるのは間違いなく”昔の盤”で、 「クリアで肌触りの良いネオ・グランジ好みの音」は”最近の盤”。 でも、ラジオ局が選ぶのは”後者”って感じですか?
ホントにこれは個人レヴェルの問題かも知れませんが・・・。
あと、僕が「やっぱりレコードがいい」もう一つの理由は 自分の音楽的人生が反映されるからかな?
レコードってCDと違って、基本的に全て”限定プレス”なんだよね。 だからCD見たいに、いつでもどこでも2500円で買えるわけじゃない。 買い逃したら、この前まで店頭にあったレコードが1年間ぐらい 中古屋に並ばないなんてのはザラにある。
有名なバンドはたいがい多くプレスされるので、よっぽどじゃないと 買い逃しはしないけど、新人、 特にデビュー・シングルともなると要注意である。
ミュージックの1st7インチ1000枚ナンバリング入り プレスなんか日本じゃ全く見ないんだから。 ・・・つーか、日本に入ってきてたん? そんなとき名前すら知らなかったけど・・・。 5000円くらいあれば、ネットでは買えますが・・・。
時代の先を読むのが宿命のDJに取って、買い逃しは「厳禁」である。 明らかに入手不可能だったミュージックは置いておいても、 クーパー・テンプル・クロースの初めのBOXシングル2つなんかもそうだ。 日本人は来日記念盤が出たからいけど、 UKじゃあやっぱりアナログしかないんだから。
しかも、買い逃した人にはペナルティと言うべきか、 「焦って、かつ、血眼になって」探し、 下手したら更に高く買うはめにもなりうる。 しかし、それは先が読めなかったその人の責任であるし、例えばの話、 レコード3枚は買える6000円という金額をウィ―タスの12インチ 1枚に消さなくてはならなくなる人も実際いる。それは致命的ですな。
ちなみに5枚買ってを平均4000円で売り切った僕みたいなやつは、 16000円で更なるレコードライフを楽しみます(笑)
要はリアル・タイムで買った人は、優雅に(ムダに金を使うことなく) 生活できるってことです。
今更になって、オアシス「WHATEVER」が相場7〜8千円になったり してますが、ネタDJ全盛期は1000円あれば買えました。 「みんなもっと早く買っておけよ!」って感じです。
だから最近のロックDJが「CDでいいや」という発想は、 そんなんもあって個人的には少し疑問だ。 要はDJの肝心かなめな部分をごまかしている可能性があるからだ。
最近グルーヴァ―っぽい選曲スタイルのイヴェントが増えつつあるけど、 ウチの選曲なんて、90%以上は現在タワーレコードに置いてるしね。
CDというものが「後付けDJ」の象徴になる懸念もある・・。
いや、後付けでもいいんだけどなんか「探す」とかした方が オモシロイんじゃないかな〜って。
僕もタイガーアーミーの1stを買いそびれて、 マジで血眼になって探して、キングコングでやっと見つけたときは、 一瞬でカベからそのレコード外したし(笑)
「僕はかつて、WEEZER2ndオリジナルを3時間並んで 5800円で買ったり、WANNADIES3rdを4時間並んで 13800円で買ったこともある男だ。」
「認めたくないものだな、自分自身の若さゆえの過ちというものを。」 (byシャア・アズナブル)
仕方ないんだな、僕はアナログのこうゆう魅力にはまっているから。
しかもレコードって日本独自の特徴かも知れないけど、 人気のレコードはプレス数多くても、どんどん高くなる代わりに、 売れないレコードは例え「名盤」でも、とことん安くなるんだな。 CDってのは多くの人が買うから、ある限度以上は下がらないというか 下がる前に売れるんだな。
ところが、レコードってのは実は普通のリスナーよりも あまり聴いていない、いわゆる「ワヤ」な人たちが多いために クラブ・ヒットしていない、隠れた名作がどしどし売れ残って どんどん安くなるねんな。それを掘るのがオモシロイ♪
ありがとうキンコン!お世話になってます!
これもオモシロイ理由かな。 僕がCDに入れたりする曲なんて、そういう「ゴミコーナー」からの 掘り出し物がほとんどだし。
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