非日記
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2007年06月27日(水) 暑い、暑い、暑い。

暑さで息苦しい。気温は大した事は無いと思う。トイレは涼しいので(自分家で一番涼しいのはトイレ)。湿度のために体感温度が高いと思われる。じっとして扇風機回しててもジワジワ汗が出てくる。息苦しい。
そこでクーラーでなく除湿を掛けたいわけだ。除湿をつければ全く違う。
しかしリモコンがまたもや行方不明なのだった。毎度春と秋の間に行方不明になる。

相手先の責任者からの伝言だという電話が、その日自分の代わりに派遣されてた同僚からかかってきましたよ。
「矢口さんに伝えといてくれって頼まれたんだけど、後でちょっと寄ってちょうだいって」
「そっちに?こっちの仕事が終ってからでええの?」
「それは勿論」
↑こんな事言われたら、呼び出されて「矢口さん、あなたこんな事なさって、これはなんなのですの?この事はそちらの上司の方にもご報告させていただきます。よろしいですね?」等と内容はわからなくとも何かしら文句を言われるのかと思いますね。しかし私もこれでも仮にも社会人なので、たとえ校舎裏でリンチが待っていようとも簡単に逃げるわけにはいきません。
だからといってビビらないワケではない。
「了解しました」と応じつつ早速心の懐にしまってある辞表に手を沿わせ「よし、ちゃんと持ってるな」と確認するが、それで安心するわけではない。
同僚「えーとね、なんか預かってるものがあるから渡したいんだって」
…なに、渡したいもの?
背骨にビリッと緊張が走ります。


遺書かッ!?


金だけ出して欠席させていただいた結婚式の引き出物のカタログでしたよ。同じく連名で欠席した同僚の分も預かり、後日伝達。
「預かってるものがありますなんて言われるから、遺書か何かかと思いましたよ。それでその遺書には他人の人生における私の責任が追求され、連綿と罵りと恨み言が書かれてあるんです。それを読んだ私は死にたくなるんです。先様がはっきりおっしゃらず、下手に考える時間があったものだから、取りに行くまでについ色々な覚悟を決めてしまいました。全くビビリました」
「まあ矢口さんったら、凄い想像力ね。そんな突飛な想像をするなんて面白い人、ホホホ!」
「ハハハ!私は本気ですよ」

突飛な想像なぞではありません。地に足の着いたリアルな想像です。コンロの火を消さずに外出しておいて、それに関して「家に帰ったら火事で丸焼けになってるかも」と考えるようなもので、携帯にかかってきた電話に「警察か消防署か近所の人からかしら?」と疑う種類の現実味を帯びた想像力です。
この場合「コンロの火を消す」のはどういう行動か、何故火を消さずに出かけたのか言うまでもありません。コンロの火を見守る為に生きているのではないが、かといってコンロの火を消すことはできないからですよ。

ところで!ミステリアスな事が起こった。
在住地では電停が全面禁煙になったので真ん前に建ってる病院の門前の喫煙所で一服しながら文庫本読んで時間を潰してました。そしたら知らんオッサンがやってきて
「こちらのドクターですか?」
と声をかけられたよ!
ちなみに服装は普通にジーンズにTシャツでしたよ。
「その気になればどんな詐欺も可能だ…!」という気がしたよ!


十年ぶりの新作>>
昨日から通勤時に正義の眼を読んでるのだが、なんつうか、ほんっとに読みやすいね、このシリーズは。びっくりした。こんなに読みやすかったっけ?この作者さんの作品中、群を抜いて読みやすいだけでなく、色々な小説の中でも読みやすい部類のような気がする。下手するとライトノベルより読みやすいような…。
話の密度としても今回は短編的でスパッと読める感じだ。
これはアレだ。
お題「ラブレターを書くツザッキィ氏」
きっとテーマはこれだけだったに違いない。

あ、今、昔購入した評論系の同人誌で、「自分がこの作家の小説を読んで最初に感動したのは、まずSF作家とは思えないほど文章が物凄く綺麗だった事」とあったのを思い出した。SF作家やミステリー作家の文章が乱れていて日本語として綺麗でない(上手でない?)ってのは、本好きには昔から言われてましたわね。「だからファンタジーやミステリーは読まない。話はともかく読めたものではないから」という人も多かった。今はあまり言われなくなった…かな。
ライトノベルデビューでの純文作家が出たりしてるしな。

私自身は文章の正しさや美しさというのはよくわからない人間で、猶予の月だかをパラ読みした時に至っては「何処が読みやすいんだ。地獄の底を這いずるの間違いだろう」と真剣に思ったが、うん、実は読みやすいのかも。そう、常日頃は、たとえ文章は綺麗でも、書いてある内容が分かり難いのだ。どこかの書評で「半分理解できれば上等だと思って読んでいる」と豪語していたファンもいらっしゃった、そういえば。心世話になった。読んでいく自信が出たよ。
「わからないのに読んでどうする」って感じがしてしまうので。
私は神林を読もうとすると、「面白いとは何か。どういう事なのか」、「小説とは何か」、「小説を読むという事は人間にとってどういう意味があるのか」等に向かって意識が脱走を試みる時がシバシバあるぐらいだ。例えば太陽の汗とかで。ちなみに、図書館で見かけた猶予の月は「恐ろしいものを見ただ。あのふすまを開けちゃならねえ」という印象しか覚えてない。逃・げ・る・な。心の準備がまだ…!

この長いブランクの間にそれほどに覚悟を決めていたので、本屋に買いに行った際にはこれ一冊では耐えられないかもと疑い、思わず要らんものを買いそうになったが、探してた新刊が何故か入ってなかったおかげで正義の眼と一対一で向かい合うハメになった。

こんな可愛い表紙をしてあたしを苦しめるんだわ騙されないわよキクチ!
(注:キクチ=表紙のイラストを書いてる人らしい)

等と思い、車窓を眺めながら数日膝の上に乗せて行ったり来たり移動していたが(読め)、読み始めたらあら不思議。こんなに読みやすかったかしら、この人のは。そういえば、そもそもは熱烈な神林ファンが「導入として、まずはこれから読め。これならば神林素人でも読めるはずだ」と敵海を勧めてくれたのでしたよ。

いつにもまして読みやすいですね。何故だろう。ラジェンドラが本領を発揮してネチネチ言わずにホームコメディしてるからか?(ネチネチ言うそれは大好きなんだけどさ)パンピーがメインに動いて喋ってるからかしら。それともあれか、私が此間まで読んでたサッパリわからない病の哲学がよかったのかしら。

「現存在は覚悟性においておのれ自身へ立ち帰ってくる。その覚悟性は、本来的実存のそのつどの事実的可能性を開示する。そしてそれはこれらの可能性を、それが被投的覚悟性としてみずから引き受ける遺産のなかから開示するのである」←92ページ

どうだ。誰か彼が言いたい事をわかりやすく説明しろ(苦笑/いや著者はしてくれてるんだけどそれも私にはムツカシイのよ。この小冊子自体がどういう方向に眼を向けて向かおうとしているのかってのかはわかってるんだけど)。
どう?どことなく、なんか神林っぽくね?臭いが(笑)ちなみにこの部分はハイデッガーの「存在と時間」かららしいんだけどさ。

私は頭が悪いのでわからん。いっそ神林を読むための準備運動のような気分、これが滑らかにクリアできるレベルに脳みそが達すれば神林も気軽にクリアできるであろう…諦めるな私!気分でいた。十段の跳び箱が飛べるなら九段も飛べるだろう、みたいな。なら九段(だと思ってる方)から飛べよと思うか?私が飛びたいのは九段なんだよ?十段が飛べるかどうかは問題ではない。だから練習は十段でする。私は合格ラインが正答率八十パーセントの試験で合格を目指す時には、正答率百パーセントを目指す。合格ライン六十点の時には八十点取ることを目指す。自分は百点を目指して一生懸命全力で鋭意努力しても最高で八十点ぐらいしか取れないだろう人間である事がわかっているので、初めから目標を合格ライン丁度に設定するなどという危険な事はしないのだ。

この訓練がものを言ったのかも!(違います。今回わかりやすいよな。中編だけど(長編になるんか?)短編チックで)

てゆうかよほど厳しい試練だと構えて読み始めたのに、にやにやしてしまいますね。まずこんなにしょっぱなからツザッキィさんが出るとは思わなかった。ので、思わず一人で笑った。しかも困ったりなんかするので、こっちがどうしようって困ってしまって笑った。

私の中ではさ、何時のまにかどうしてだかヨーメーさんはお姫様みたいになっていて(昔作ろうとしていた敵海ファイルを思い出すとそういう感じだった。恐ろしいアプロに狙われている可憐なヨウメイさんというイメージが刻まれていた)、自分で自分に「違うだろ!原作をしっかり読め」と常に突っ込んでいる状態だったので、思っていたより可憐でびっくり。


原作のヨウメイはこうだったはずだと軌道修正してイメージしてたヨウメイ

新作のリアル・ヨウメイ

脳みそに刻まれている腐れた脳みそが吐いた嘘に違いないハズのシリーズ・ヒロインのヨウメイ


下に行くほど可憐度があがります。うーん、可憐というかなんというか。一言で言うとヒロインっぽいというか美しいというか。
えーなんか笑いが止まらない感じ。

危ない目をして手紙を届ける…って。ハハハ。そうよ、危ないわよ。アプロがいますからね。首の皮一枚なんていやらしいわね!
「悔しいんだけど、悔しがるのもあいつの思うつぼみたいで、それも悔しいんだけど」
って何これ。ラテル、愛の告白?
私のかそけき記憶では、あんなにラテルったら敵は海賊を通り越す感じでヨウメイが大嫌いだった、憎しみにメラメラと燃えていた気がしたのにどうしちゃったのかしら。
倦怠期?
祈りとか願いとかおまえどうしちゃったの、です。こんなだったかしら。悪である海賊を殺すことも悪であり、そういう悪である自分も含めて悪がなくなればいいという願い…とかいって、それってつまり簡潔に要約すると「最後は純粋悪であるヨウメイと心中したい」という事ですか?二人の間を分かつ垣根をなくしたいとか。そんな事を遠い眼をしながら言う。車中でひくつきました(笑って)

だって、このしょっぱなだって、「何故おまえのようなやつを許さないになって、おまえを許さないにならないんだ」とヨウメイはイラついてましたが、行間というか余白に「海賊課ならこんなムカつく言い方しないのに!『おまえのような』って、おまえにおれの何がわかる!」等と書いてある感じがしてしようがありません。私の気のせいでしょうか。

皆そうですが、いつもそうだったかもしれないけど、ヨウメイを知らないパンピー相手にヨウメイがどんなヤツかを説明するのが悉く愛の告白に見えます。「他のやつと違う。会えばそれでわかる。彼だけが私を熱くする。俺にとって唯一の」…といった調子で、皆どうしちゃったのかしら。会えないほどに思いは募るって具合か。元からこうだったかしら、ラテルチームは。確かに私の中ではずっとこうだったけど!

相変わらず今作もアプロとラジェンドラは大の仲良しで、ラテルお母さんでアットホームで楽しいのですが、猫と船がヨウメイLOVE、どう攻めるかってイヤらしい話題で盛り上がっている269ページなんか最高です、ハハハ。
だって彼らの性というか性質というか体質というか本質というか肉質というかを弁えたら、つまり「自分はヨウメイをこうしてやりたい。きっと凄くキモチイイ」というエロ話をしているに相違ありませんよ。すると「聖なる悪」であるラテルがツッコミします。
「おまえたちは俗なる悪だ。間違いない」
ホホホ、そうね。聖なる悪であるラテルは心中祈願のプラトニック派ですからね!
もう笑いが止まらない。

大体最初の登場シーンで上着を羽織らずに黒いセーター一丁で出て来たところからなんかヒロインくさい(ヨウメイに対する偏見)。だからアニメは間違ってると思うのよ。顔だけの問題じゃなくて!今回もセンスがセンスがと自分で言ってるが、要するにああいう(アニメ版)センスの男じゃないのよ!
「身を震わせて、微笑んだ」の一行に、読んでる方が身を震わせて微笑みますよ。このお姫(おヒィ)様め!
てゆうか、
「女王・レジナのきみに」「好敵手として」
とは、おまえも女王なんだな?自分でもわかってるんだ、やっぱり!船も女王様だし!(女神様か)

とか思って、ウケまくりました。真面目に読めない失礼な私。敵海は私にとってシリアスに読む小説ではないんだ。

うんにゃ、チラっと、何を考えながら(何に対してというべきか)コレを書いたのかなとか思わんでもなかったけど。いや、神林さんて結構正直者だろ。エンターテイメント作品としては、自分の考えというか価値観というか、こういう事に関してはこう考える、こう感じる、こう解釈するみたいなのがかなりストレートに出る方というか。だから「今」「これを書く」という事の作者にとっての意味というか理由をチラ〜と。この人は作品で嘘がつけないだろう気がするんで。それが全てでは無いとしても、虚構の為だけにつくりあげられた論理としては美しすぎるから。まあ誰でもそうなのかもしれないけど。思わないことは書けないというか。
完成した作品には関係ない。


とにかく楽しい。ちょっと…前の読みなおそう。掘り出した。


やぐちまさき |MAIL