あれこれと迷走中。
開店休業気味。

2007年07月31日(火) ちょっと夏向きSSとか。

こんばんはー。

姫が合宿行ってしまって切ない朧です。

あんまりにも更新していないので、
それもこれも萌えが足らないせいよとかあれこれ責任転嫁なことを考えていたら、
鋼の新刊の予告で表紙見て頭がぼっかんとなって、(オリヴィエ様ァァァァ!!!)萌えだけは満タンになってしまいました。


しかしながら頭が働かない。
そんなわけで、以前、閣下宛てに提出した宿題SSをリサイクルしてみます。
このSSは、閣下からお土産でひやしあめをいただいて、それまで私飲んだことがなかったので、「飲んだ感想を提出するように」と代わりに課された課題として提出したものです。…閣下ろいえど好きじゃないのに、私わざわざろいえどで書いた。


感想兼ロイエドSS

失礼します、といつもと変わらぬ礼儀正しさで、大きな鎧のアルフォンス・エルリックが司令室のドアを開けた。

「ああ、ご苦労だったな」
早朝から格闘した結果ようやく4分の1ほどになった書類の残りの山に手を伸ばしながら顔を上げると、鎧の弟の後ろからしぶしぶといった様子でエドワード・エルリックが部屋の中に入ってきた。

その態度に私はおや、と思い、ペンの動きを止めた。
昨日、猫の手も借りたいほどの慌しさの中、エルリック兄弟が東方司令部に姿を現せた。ここ数日間家に帰る暇も洗濯をする暇もないと嘆くハボック少尉のシャツのにおいに顔をしかめながら、なんの気まぐれか仕事を手伝ってやると言い出したのはこの小さな錬金術師の方だ。基本的に軍の任務からは彼らを遠ざけていた私だが、軍本来の仕事とは直接関係のない雑用なら、と、彼の好意をありがたく受け取ることにした。
今回任せたのは、イーストシティの秋祭りに参加する店や企業の立ち入り検査並びに認可証の配布。祭りと聞くとまだ胸がときめく年頃なのか、エルリック兄弟は足取り軽やかに任務へと出かけたのだった。

それがどうして今のエドワードの表情になるのか。ころころと表情を変えるエドワードは瞬間湯沸かし器の異名も持ち(あくまで彼の耳に届かない範囲での愛称だ)、5秒後にどんな機嫌であるか予想がつかない相手ではあるが。

「…何かあったのかね」
それでも、いつものように嫌な予感がしないのは、心配性の鎧の弟の機嫌が、良いからなのかもしれない。アルフォンスがふふふ、と笑った。
「兄さん、いいものもらったよね」
いまだにふてくされた表情で一言も発していないエドワードは、弟の言葉にさらに顔を赤くした。視線を落とすと、エドワードが手になにやら持っているのが見えた。
「どうしたのだね」
「出店予定のお菓子屋さんに行ったら、帰りに受付の女の人が兄さんにくれたんです、お疲れ様、って、ね?」

ぴくりと小さな反応を示した兄の左手の袋の中に、カラフルなパッケージの小箱や、渦巻き状の飴やらなにやらが透けて見えた。
なるほど、子ども扱いされたと認識し、大変気分を害したわけか。私は椅子から立ち上がり、二人の方へ歩いていった。
「私もよく視察の際にはお疲れ様と声をかけられ、女性から甘いものをいただくよ」
それ少し違うんじゃないですか、非情にも無邪気にそう言って、アルフォンスは兄の袋を持ち上げた。
「懐かしいものがいっぱいあるんですよ。小さいころ食べたお菓子!!」
応接用のテーブルに中の物をひっくり返す。バラバラとちらばるお菓子たち。
「ほら、ひやしあめまである!!」
転がり出た小さな缶を示して、アルフォンスはさらに嬉しそうな声を出した。
「ひやしあめ?なんだねそれは」
小箱のラベルの名前を見ながら、なじみのない名称を耳にした私は弟に尋ねた。

「なに、大佐、あんたひやしあめも知らねぇの?」
弟の代わりに答えたのは、部屋に入ってからようやく口を開いたエドワードだった。
私の知識の欠落が、彼の気分を少し持ち上げたようだ。
「ああ、知らないな。形状を見ると、清涼飲料水のようだが」
「うまいぜ、いっぺん飲んでみろよ」
生意気な笑顔を取り戻した彼は、私の返答も待たずに缶のプルタブを起こした。仕方なく口に運んでみる。
「…っ…ずいぶんと原始的な味だな」
砂糖と蜂蜜のどろりとした感触の直後に、生姜の味が口内に広がる。
「なんだそりゃ。もったいねぇから気に入らなかったんだったらもう返せ」
言うなりエドワードは私の手から缶を奪い、ぐいっと飲んだ。ああ、あんなに飲んだら喉が焼けてしまうのではないか。

ふと、
エドワードの動きが止まる。
「鋼の?」
彼から表情が、消えた。
「すげ、なつかしー味」
ごく、と液体を喉に通す音。
「昔のいろんな風景、一瞬で思い出した」
私はエドワードの顔を覗き込んだ。
「…母さんが、よく、買ってくれた。ひやしあめ」
そう小さく続けた瞬間、エドワードの両方の目から、大粒の液体が溢れ出てきた。

ああ、大変だ、ひやしあめが出てきてしまった、

私は思わずつぶやいた。

終。


−−−−−−


>拍手お返事

>ハル様
おおおおおおおおおそれおおい!!!!お目汚し大変失礼致しました…
ハルさん更新万歳万歳です!!でも私欲深だからもっともっとよみたい…!!!!


>姫
お元気ですか。すでに脱輪6回しているとか。頑張ってくださいね。


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