sasakiの日記
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2003年09月12日(金) どういうわけかスポ太郎ドスドスいいながらも飛び上がる

 
 スポ太郎の運び出しの日について

 家にある一番大きなダンボールにいつも寝ている毛布を敷き、乾き物など普段は食わせない食い物をぶちまけ、最後にいつも頬摺りする僕の古いパンツを入れ(よそのネコはどうなのか知らないが、僕のパンツが精神安定の一番に思っている節がある。どうしてなのかはあまり知りたくないが、よそのネコはどうなんだろう?)、車が玄関に着いたのを合図に一気にダンボールの上に蓋をし、お姉さま方3人がかりで新居に搬送。お姉さま方には大変だよということを念入りに伝えておいたんだけど、引き受けてあげるからということで頼んだ。もうしーらないっと。
 持ち上げた瞬間からもうこの世の終わりに近い声で鳴き始める。
 ウゴゲ〜〜〜、ゴギャー〜、オワーンン、ンッ、ンッ。
 ンッが哀れを催す、じっさい。
 前に一度この泣き声にやられ、こっちも生きた心地がしなかったので今回は人頼みにした。本当にこっちが死にたくなるような声を出す。
 お姉さま方も道々、自分たちがとてもひどいことをしているような自責の念にかられやりきれなかったと搬送後語る。

 引っ越す前の日までは動物には珍しく何も感づかない。自堕落になってしまい危機管理のアンテナが折れてしまったか?普通は何がしかの変化におかしいと思うはずなんだけど、ダンボールの数が日増しに増えていくのを見てもいぎたなくなく寝続けているばかりで馬鹿丸出し。自分がひどい目にあうなんてこれっぽちも思っていなかったんだろう。蓋されて始めてこりゃ尋常なことじゃないことが始まると思ったんだろう。
 昔、ソファーのアルバムジャケットのときに借り出されたときのことをようやく思い出したみたい。
 あの時は2,3日気が変になっていて、とても荒んだ目で僕の非道を訴えかけていた。
 今回の引越しの最大の懸案事項がこのネコの移動についてだった。とにかく家ネコで一歩も外に出たことがなく、出ようにも、もうそうするだけの勇気も持ち合わせなくなってしまったいて、試しに、下の階か上の階までと思って抱いたままドアから出ようとするだけでビビる。
 引越しのショックで病気になったりショック死するネコもままいるという話も聞いていた、病院で麻酔を打ってもらえという意見もあった。そこまでするか?とも思ったがやつの根性にかけることにこっちの腹は決まっていた。引越しというのもあいつの人生に組み込まれているものだったんだから、まあ、どっちにしてもたいした人生じゃないとは思うんだけど。

 とにかく一大イヴェントであったみたいだった。僕が古い家の指揮も執り終わり、新しい家に着くとトイレに避難したまんま出てこようとしない。何度猫なで声で呼んでもでない。一生トイレの中で暮らすことを決心したみたいだ。こっちもいい加減疲れていたからかまわないでおいた。
 人の出入りもなくなり、もうそろそろいいだろうと思ってもトイレの中で陰気な顔をして人をにらんでいる。当然飯も食わない。鳴こうとするんだけど声がかすれてうまく鳴けない。失恋した女みたい。失恋した女はトイレには籠もらないけど。籠もる人もいるらしい。

 でも、今回はカムバック早かった。少し世間ずれしたか。次の日にはもう快調みたい。でもまだ前の家の記憶があるみたいで、いつ帰るの?という顔で見上げている。様な気がする。前の家よりはかなり広いので運動スペースは大幅に増えた。
 今現在のやつの趣味は押入れを開け、布団の上で寝ること。
 押入れの前に空の大きなダンボールが置いてある。其のダンボールを踏み台代わりに使い両手を使ってふすまを開ける。2枚分のふすまを一気に開ける。かなりに力持ちみたいだ。結構隠していたらしい。空のダンボールの上で力むものだから時々底が抜け下に落ちる。目論見どおり。
 それでも押入れに入ることをやめる気配はない。時々本を読みながらスポ太郎が力んでいるときを見計らって見えないように足でこっちからふすまにつっかえ棒をする。もう汗だくになっている姿が見える。猫は基本的には汗だくにはならないが、人間みたいに必死になって両手でこじ開けようとする姿は暇つぶしには最高の見もの。
 癖にならない前に押入れで寝るのはやめさせようと思っている。
 寝飽きると今度は正面のふすまを開け下に飛び降りる。
 ボッテ、ドッス。ボッテというのは腹を打つ音で、水に飛び込むときに腹を打つ要領で見事に腹を打つ。いつか腸ねん転起こすかもしれない。
 
 それでも10日たちスポ太郎には日常がようやく戻ってきたみたいだ。
 めでたしめでたし。

 明日は小樽。
 明日は台風。
 小樽は石狩湾の辺りにあり、台風は石狩湾から上陸するかもしれないらしい。よりによって堪忍して下さい。
 台風は夜に上陸するらしい。
 僕は小樽で夜ごろに歌を歌う手はずになっている。
 多分、ぴったりのタイミングで遭遇すると思う。
 お客さんは台風だからといって来るのを諦めるといった事も想像できる。
 僕は一匹長屋の下村さん相手に歌ってる姿も目に入ってくる。
 1曲終わるたびに下村さんと下村さんの奥さんが熱心に拍手をしてくれる。それはとっても、とても寂しい風景だ。
 僕はあまりつらくなって堪忍してくださいという。
 さて?

 


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