sasakiの日記
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2003年06月13日(金) 9条橋の橋の上、僕等は犬の肛門を見続けた。

 12時からジャケット撮影。
 
 原田君のフォトスタジオで電気ウクレレを散々弾き、コーヒーを飲み倒して後に撮影に入る。今回はサィモンとガーファンクル。最初の百章のアルバムはビートルズのレットイットビーもどきだったので、ついでだからこのパターンを踏襲しようかと言うことになり、黒のタートルを着てサイモンとガーファンクルになりきる。
 私はアート・ガーファンクル、左頬杖をつき、首を右に傾ける。この姿勢が結構キツイ。瞬間的ならば別に問題ないのだが、撮影ののための同じ姿勢は思った以上に大変。表情まで注文される。遠くを見る目をしながら哲学的な目をしなさい。そんな目などしたことがないのでコンフューズの極致に陥る。パロディというのは思いの外色んな発見がある。二人は仲良く肩を組みながら撮影している(ジャケットをよく見ないと解らない)。ポール・サイモンは可成り顔が大きい。男同士で長い間肩組み合っているのはとても気持ちが悪いと言うこと。女の子の体温は嬉しい限りだけど、男の体温はうっとうしい。二人はとても肌の艶が良い、などなど。
 このジャケットの姿勢はやってみると無理な姿勢だということがよく解る。我々のアプローチがおかしいというのが充分に解っているのだが、サイモンとガーファンクルだってジャケ写のためキツイ姿勢をしてたのでは?とおもわれる。てへへ。
 稲村さんはカメラ目線で少し驚いたような顔をしながら口を少し開けなどと言った間抜けな注文をされていた。そしてシャッターが押されるたび「えっ!」「えっ!」と律儀に声を出しながら驚き撮られていた。
 ずっと同じ姿勢なのですぐに飽きる。最後はなんだか記念撮影を撮って貰っているみたいな気持ちになり、穏やかに終了。この間ほんの1時間。まあ、こんなモンだろう。出来上がりはどんなものなんだろう。
 
 ふたりとも前日髪を切り余程短くなって写真に写った。共に研究は怠りない。稲村さんはポール・サイモンの役割なので前髪を額の生え際まで短く切り、坊ちゃん刈りの変形にして貰わなければいけないので、ハッシーにコンピュータ処理して貰うことをこっそり頼んでおいた。
 まあ、どっちにしてもあんな風には行かないだろう。下手すると葬儀屋のポスターみたいになるかもしれないと言う一抹の懸念はある。
 
 もうワンパターン押さえておきたいと原田君が言うので僕と稲村さんとハッシーは九条橋に向かって歩き始める。もうじき夏がやってくる。空気が顔の廻りでぐるぐる回る。橋の真ん中でハッシーが止まれという。見ると遙か向こう顔の表情も解らないような距離の所に原田君、渡辺、門間が青春ドラマのように手を振っている。仕方がないので振り返すがとっても恥ずかしい。青春じみたものに出くわすと果てしなく恥ずかしくなる。ハッシーは携帯で連絡を取り合っているみたいで、ここで何かミュンヘン大橋の方を向いて話せ、そしてその姿を向こうの望遠で押さえるからと注文を出す。
 あのなあ、そう簡単に会話が弾むようなつき合いをワシラはしてこなかった訳なのよ。回りに人がいてかろうじて話が出来るくらいで、二人ぼっちにされるととても気詰まりになってしまうのよわしら。これは学生の頃からの二人の癖みたいなもの。
 
 橋の下を犬が奥さんに連れられてミュウヘン大橋の方に走っていく。犬は年がら年中肛門を見せて歩いているがあれはあれで痛ましいような間抜けなような気がするが稲村さんはどう思う?というようなアホなことを橋の真ん中で聞いているなどとは、今撮っている写真には写るべくもない。
 
 それにしても犬も猫も、猿もタヌキも狐もロバもみんな年がら年中肛門を見せて暮らしている。どうでもいいことなんだけど。
 僕と稲村さんはしらふで話す一年分位の会話をあの橋の上でしてしまった。
 同じ量の同じ方向からの風がずうっと吹いていた。車が途切れることは滅多になく、最後に車がいない時を見計らってショットを押さえて終了。
 考えてみたらジャケ写はいつも一人だった。一人で唄っているんだから当たり前なんだけど。やっぱり緊張していたんだ。バンドは楽しいなあ。
 今度はディープパープルか?

 帰り時間が理想的に余ったので映画を見る。日劇ももうじき無くなるというので、取りあえず確認に行こうかと思い「コア」やってたので見る。松竹遊楽は最後いけなかったのでここはね。コア思っていた以上面白かった。基本的には「ミクロの決死圏」なんだけど尺が短く感じられるくらい一杯詰まっている。空想科学活劇。基本的にはこのラインは好きライン。
 単館の映画館が無くなるのはやっぱり良くないことだと思う。大きいことは絶対いいことなんだよ映画館に関して言えばさあ。あんなに天井が高くて、400人以上人が入れてスクリーンが大きく曲がってっさ。誰か札幌に一件くらい大きな映画館が残るように保護してやってくれ。
 今、「札幌市電が走った街 今昔」という本を読んでいるんだけど、残しておけばよかったのにという線が沢山あり、昔から今に移るにつれ街が汚くなっていく。写真が古くなっているばかりじゃなく昔の札幌はまるでロンドンみたいだった。嘘じゃないって。

 今日は写真の話ばかりだった。
 夜は15日ヤマハでやる「フォーク・フォー・エバー」の稲村さん交えてのバンドリハーサル。


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