今日は少しの残業で帰れたのでちゃんとご飯を作りました。っても減量食なのであっという間に支度出来ちゃうんだけど。最近仕事がちょっと忙しいので、日記にもついつい仕事の愚痴とかを書きたくなるのですが、それも侘びしい & 書いてて空しいのでなるべく避けたい。そんなわけでここんとこ(主に旅行中に)読んだ本の感想でもぽちぽち書いて行こうかと思います。
「青春忘れもの」池波正太郎 池波正太郎の子供時代から作家になるまでの体験や時代背景を綴った随筆。池波随筆好きにはお馴染みの井上留吉との出会いから兜町での株屋奉公、吉原での童貞喪失や軍隊での体験などが子細に描かれてます。どの章もすごく面白くて一気読みした。とにかく若かりし頃の池波正太郎はすごい元気。滅茶滅茶働いて、滅茶苦茶遊んでます。吉原では一つの遊廓で一人の女郎一筋に足かけ三年遊んだ話、その後彼が戦争に出征した際には何故か池波先生のお母さんがその女郎のところへ「息子がお世話になりまして」とお礼を言いに行ったとか、なんか大らかというか、大きい、でも何かにつけきちんとした、折り目正しい豊かないい時代だったんだなあと思わされるエピソードが満載です。もちろん戦争中は嫌な思い出もいっぱいあって、その頃の事は全然いい時代だなんて言えないんだけれど。でも海軍では上官が「貴様、海軍のくせに外出の時に香水をつけんのか!」と池波先生を殴ってその後で香水を二瓶くれたとか、やっぱりどうにも可笑しい話が随所にちりばめられていて、やたらドラマチックです。私達の世代が思い出話をしたところでここまでのドラマは当たり前だけど、普通ないだろうな。激動の時代を生きた世代の生々しい半生を綴った貴重な、でも楽しく読めて興味深い一冊でした。この本は池波先生の随筆集の中でも個人的にかなり上位に来ます。■
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