最近、配偶者の影響で筒井康隆ばかり読んでいます。11 歳の頃に同級生から「笑うな」を借りて読んだのですが、今思うと半分も理解していなかった(貸す方も結構マセてたと今は思う)。30 歳の現在は楽しく読み、彼の変態っぷりに毎日やられています。
中央公論社文庫「ベトナム観光公社」に収録の「最高級有機質肥料」は排泄物は汚いものではない、という感覚は自分は人並み以上に持っていると自覚する(または持っているのが自然だという気持ちがある)私でも、読んでて気持ちが悪くなった。配偶者曰く「この作品は美味しんぼへの強烈なアンチテーゼになり得、しかも美味しんぼよりもずっと前に書かれているのが凄い」そうです。確かに、この小説に出て来る、異星人達のやってる事は海原雄山と全く同じなのよね。対象が違うだけ。その対象すらも、あるレベルから見ると全く同じ。この手のものを読むとなんとなく藤子不二雄「ミノタウロスの皿」を思い出してしまう(全然違う気もするんだけど)。
同収録の「トラブル」も寄生獣のずっと以前に書かれている。筒井は凄いなあ。鬼才と呼ぶに相応しい。大昔の高橋留美子の持つ毒は筒井康隆と非常に似通ったものを感じるんだけれど、何故彼女は筒井ではなく平井和正とあんなに通じていたんだろう。
そして新潮文庫「おれに関する噂」収録の「通いの軍隊」を読み「ああ、これだったのね」と、「究極超人あ〜る」を読んだ日から 16 年を経てやっと脳内リンクされる。全ての文化は地続きなのだということを改めて認識し、森羅万象が色々なつながり方でつながっているのだという事を考える。■
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