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2010年10月10日(日)
映画「悪人」をひとりで見た。映画をひとりで見るのは生れてはじめてかも。あ、カナダで見たか。
さて実は、原作、吉田修一さんの「悪人」は映画化の話が出る前に読んでいる。正直なところ、好きにはなれなかった。宮部みゆきさんの「火車」を読んだ時と同じ感想になる。面白いか、面白くないかでいえば面白い。でも主人公に共感できない。
誰が本当の悪人なのか?を作品を通して問うものだと思う。
どちらの作品も、その時の社会問題を取り扱っている。 「火車」はカードローン地獄を、「悪人」は出会い系サイトや今の若者自身を。でも心のどこかで、自業自得やん、って思う部分があって、そうなるとちょっとひいてしまう。あ、自業自得は、殺された女の子のことじゃなくて、主人公のことね。
さて、映画だが、実はとてもよかったと僕は思う。 まず、絵がとてもとても綺麗なのだ。灯台がある意味で大事なシーンになるのだが、このシーンが特に素晴らしかった。大画面で見て良かった。 脇役の方々の演技も素晴らしかった。樹木希林とか、もう天才としか言いようがない。 方言も、僕には違いがわからなかったが、佐賀弁・博多弁・長崎弁を使い分けていたようだ。 原作で僕がいらないなと思ったシーン(殺された女の子の友人の会社でのシーンとか、いろいろ。)は、映画の方ではカットされていた。 原作に忠実な映画化と評されているが、確かに忠実なのだけど、でも原作よりも映画が好きだ。
ところで、最近映画を見ていて思うのだが、インターネットやレンタル等の普及で、映画を見る人が本当に減ったと思う。レートショーで見ているせいもあるけれど、そうじゃなくても、子供向けの映画以外だと、劇場がいっぱいになっているのはあまり見かけなくなった。
映画は良く父親に連れて行ってもらった。僕にとって大切な想い出だ。
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