2010年12月22日(水)
立川談春東京独演会
六人の会関連の落語会が開かれなくなってからは、とんと御無沙汰なよみうりホールへ。
談春さんの落語は好きだが、HPを欠かさずチェックするほどのファンではない私は、会場に着くまで今日の演目を知らなかったのだが、ポスターを見て、思わずにっこり。
今日は「文七元結」がメインの会だった。
ちなみに明日、家元の“「芝浜」上映会”は、急きょ家元の“「芝浜」実演会”に変わったとのことで、談春さんのこの発表を聞いて思わず悲鳴を上げる客多数。
立川談志の「芝浜」を生で一度も聞いたことが無いのは、いくらか人生を損していることかもしれない。
もっとも、DVDやCDですらまだ触れたことがないのだが…。
一席目は、明るく「棒鱈」。
下手な人がやると、田舎侍の演じ方がなんだか地方出身者をバカにしているような感じに思えて、むっとしてしまうのだが、談春さんの「棒鱈」はからっとしている。
仲入りを挟み、いよいよ二席目は「文七元結」。
今まで聞いたことがある談春さんの「文七元結」は、博打にハマっているダメな父親である左官の長兵衛を諭す「佐野鎚」のおかみさんの凛とした姿が印象的だったが、今回は長兵衛が、五十両をすられたと思い込み自殺を図ろうとする文七を説得する場面に迫力があった。
「死ぬな」「生きろ」という思いが切々と迫ってきて、もし自分が今、生きることに迷っていたら、この落語を聞くうちに踏みとどまるかもしれないと思うほどだった。
女房と長兵衛の喧嘩のシーンや、文七に五十両を譲ってくれた相手が誰なのかを文七の奉公先である近江屋の主人や番頭があれこれ探ろうとする場面などはコミカルなだけに、長兵衛と文七のやり取りが余計に際立った。
明日の「笑福亭松喬還暦落語会」で、今年見に行く予定のライブは終了。
今年初めの日記に、今年は結構ライブに行く年になりそうだと書いた覚えがあるが、終わって見たら32公演。
昨年に比べると増えたが、一頃の私(2005年頃とか)に比べるとやはり減った。
何より、遠征をしていない。
3月に「あなたの街でツルベ噺。南足柄文化会館大ホール」公演を見に行くついでに箱根に泊まったのが唯一。
唯一の遠征が鶴瓶さん、というのがまた。
2001年の「ピストルモンキーフィーバーマン」や、2006年の「青山寄席」など、衝撃的な印象を受けたライブは、今年はなかったが、じわじわと今も思い出すのが、4月の「CLUB CRAWL寄席」。
「渋谷のライブハウス」なのに立地が住宅街だったり、普段は激しそうなライブをやっていそうなところで落語をやったり、それなりの集客数がある人達なのに客がどう見積もっても15人程度だったりと、奇妙な違和感が満載で、何だか忘れられない。