長崎原爆忌。
　投下時刻の11時2分は仕事中だったので、心の中で黙祷し、被爆者の冥福と永遠の世界平和を祈る。

　原爆投下時、祖父は2人とも戦地へ赴き、祖母は2人とも長崎市外に疎開しており、近い親戚に被爆者はいない。
　だが、被爆遺構は街中の至る所にあり、この街から原爆が消えることは無い。
　父に聞いた話だが、社員旅行の時、頑なに温泉に入らない人がいたそうだが、その人は退職する際「僕は被爆者で、背中はひどいケロイドがある。お湯につかるととても痛くて、入ることが出来なかった」と、その理由を明かしたそう。
　身近に被爆者がいなかった父にとって、初めて身近に接した被爆者がその方で、このときに原爆は終わることが無いと実感したという。

8月9日。
　テレビでは長崎の鐘が鳴らされるところが映し出されていたが、私がいた頃の長崎市内はサイレンが一斉に鳴らされていた。
　聞いたことは無いけれど、この音は空襲警報にも似ている気がして、あの日、あの時間に長崎の空の下にいた人達のことに思いを馳せずにはいられない。
　いろいろなことを考える日だ。

長崎日大が高校野球初戦突破。
　ちょうど10年前も長崎日大は甲子園に出場したが、この時は8月9日11時2分に試合中だったみたいで、試合を一時中断して黙祷をしたいと高野連に申し出たところ、試合の進行の妨げになるという理由で却下されたことがある。
　その5年後、広島県代表が同じようなことを申し出て、また却下されている。
　8月6日、8月9日は、世界的に考えなければいけない日であるといいながら、「原爆は広島（長崎）だけのもの」と思われていることも、また事実。
　もどかしさがある。