あまい想い出。ふわふわとした綿あめのような。なんて乙女チックな連想。けれど、言い得て妙だ。舌の上で一瞬にして消える綿菓子。真っ白で柔らかくて、しっかり掴もうとするとすぐに萎んでしまうような。つよい甘さに胸を締め付けられて、あまさと一緒に苦い想いが蘇りそうになるのを、意識的に抑えつける。その行為自体が既に、苦いものだと気付いた。