-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 読書の環境


今日、R子がロンドンから帰ってくる。
空港へ行くまで時間があるので
久々にケンジントンへ足を伸ばす。
【Kara】でコーヒーを飲み、DianとKimとお喋り。
彼らの地下室が空くので、そこにスタジオを移さないか?という。
地下室といってもバレー・コート2面くらいは取れそうな広い部屋。
おまけに天井も高いし、キッチンもある。
金額は、絵のトレードも換算して
びっくりするぐらいの値段でいいという。
(今のオイラの家賃に数百ドルのプラス)

かーなり魅力的な話ではある。
一階がカラオケ屋で、深夜はちょっとうるさいというが
それでもQueenに住んでいて
24時間、路面電車の音と
週末のクラブの馬鹿騒ぎと
横のブルース・バーから流れてくる大音量に
慣れているオイラからすれば
さほど大きな問題とは言えまい。

でもなぁ、今年のオイラの目標は
パトロンに無料で住居を提供してもらうことだから
いくら広くて快適でも
家賃を払ってまで引越ししようとは思わないんだよ。
でも、話のタネに一度見に行くことにした。

夜9時、空港へ向かうには少し早いが
読みかけの本(村上春樹【シドニー】)を読破したいので
早めに行ってコーヒーでも飲みながら読書しようと
静かなひと時を求めて空港に着いたオイラだったが
何と、コーヒーショップはおろか
売店すら開いてないではないか!
こうなると俄然、空港なんて単なる陸の孤島じゃねーか
と思えてくる。
別にコーヒーが無くたって本は読めるが
喉が渇いたとか、そういう問題ではない。
ページを捲る合間にコーヒーをすするという行為、
その二つが合わさってこそリラックス空間なわけだ。
無一文ニューヨーク旅行じゃあるまいし
無機質な待合席に座って
飛行機が着くまでじーっと本を読んでるだけなら
ぐるぐると周るシャトルバスの中で読んだ方が
まだシチュエーションとしては合格だ。

ブツブツ言いながらも、結局はそこで
皮に似せたビニールシートに座って読んだ。

予定より、やや時間が経ってからR子が出てきた。
ゲートはさほど混み合ってはいない。
いとも簡単に、その小さな身体を発見。
疲れたのだろう、髪の毛の艶は失せ、
顔色もあまり良くない。
聞けば、ロンドンに飽きてアイルランドまで足を伸ばしたらしい。
とんぼ返りでロンドンに戻って、
トロント行きの飛行機に乗り込んだという。
あれだけ「アイルランドは俺より先に行くなよ、
俺の行きたい国ベスト3だからな」と言ってたにも関わらずだ。
かなり嫉妬する。

ちなみにあと2つは
アイスランドに
フィンランドだ。
3つとも【ランド】が付いてる。
しかも、みな北欧(圏)。

お土産に、今最も気になっている作家の絵本
Raymond Briggsの【スノーマン】なつかしい!を貰う。
流石、分かってるね。と言いたいところだが
これってロンドン土産かい?

オアシスで就寝。


2005年02月17日(木)
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