-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 不思議な感覚

今日も早起き。
ちょこっと描きかけの絵に手を加える。すると
昨日、絵を買ってくれた某企業のトップから電話があり
近くまで来ているのでコーヒーでも飲もう。
とのお誘い。

歩いて1分のカフェまで、メルセデスで移動・・・。
コーヒー飲んでいる間も、ひっきりなしに電話が掛かってくる。
すると「今、優秀なアーティストと会っているんだ。
電話は後でかけ直す」と言って切るのだ。
不思議な感覚だ。
地位も財産もある、いわば「成功した男」が
真剣に俺の話に耳を傾けている。
この人たちには、きっと何かが足りないんだろう。
それが何だか分からないけど、俺の話す言葉から
それを見つけ出そうとしている感じがした。
昨日は、J館長もいたので
すごく饒舌に喋り、色んな自慢話をしていた彼だが
目の前にいるのは別人のように静かで
自分のことは一切喋らなかった。
帰り際、一本の電話で現実に戻ったかのように
突然あかるく笑い出し、
颯爽とメルセデスで去っていった。
あぁ、すげぇ不思議な感覚。

午後、もうすぐ帰国するNちゃんがスタジオに遊びにきた。
トロント滞在記念で一枚モデルになる約束。
スケッチを何枚か描いたけど
結局、キャンバスに直で描き始めることにした。
一通りパスを取ったところで時間切れ。
あとは写真を撮って、それを元に仕上げることにする。

夕方レンタカーを突然予約して
画材やら食材やらを大量に買い物する。
狂ったように、ドカ買いです。

2004年05月20日(木)
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