-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 アウトドア・ショー二日目









快晴でホッとする。
が、寒い。
でも昨日よりはマシだろう。

テントを張らなくていい分
1時間で展示準備を終える。
慎也さんはカメラを手に、あちこち絵のネタ探しをしている。
俺も、絵が売れないなら、自分だけでも楽しむことにする。
会場内をブラブラしていたら
ファーマーズ・マーケットを発見!
今日は日曜日なので、花屋やデザートや
パイ、ホットドッグ、サンドイッチを売る屋台が
出店していたのだ。
早速、イタリアン・ソーセージで朝食。
激ウマ!

またお気に入りのカフェ【バルザック】で人間ウォッチング。
気付かれないようにカメラで人々を撮りまくる。
昨日は全然喋らなかった、両隣のアーティストたちと喋る。
みな、再来週もJazzフェスティバルは早くから宣伝されてるのにアウトドア・ショーが全然プロモーションされてないことに怒っていた。同感。

Distilleryに和紙スタジオをもっている
日系人のアケミさんが来てくれた。
「今回はクラフト(工芸)アーティストが多いわね」と言った。
俺もそう思っていたところだ。
横でビーズのネックレスやら、手作りハンドバッグやらを
$10とか$20で売られてたら、俺ら画家は仕事がしずらい。
絵の値段を見て「えっ、$2、000?高い!」
とか言う、ふざけた客が激増するからだ。
クラフトと同じ感覚で、絵を値切ろうとする人も多い。
$1,000の絵を「$80くらいなら買う」とか言う。
思わず「嫌がらせですか?」と聞きたくなる。

午後になって、立て続けに友達がドバーっとやって来た。
事前にEメールで知らせておいた自分のお客さん。
そしたら、俺のブースだけ、やたらに人だかりになってしまい
通りがかった他の人まで「何だ何だ?」と覗き込む。
よしよし、これだよ。これを待っていたのだ。

それから何人かと値段交渉が始まり
やっとアートショーらしくなってきた。
「この絵の女性は、私の妻にそっくりだ」というLさんが
相当、悩んだ末【The place of swan】をお買い上げ。








もうこれで十分。
後は適当に楽しもうと思い、ブースを離れようとするが、
その度に人が来るので結局クローズ時間まで
ブースに張り付くことになった。

片付けをはじめて、絵を全部降ろしたところで
再びお客さん。
しまった絵をまた引っ張り出して見せる。
これが何度か続いて、片付けが全然進まない。
最後に、日系文化会館の館長夫妻がやってきて
一点お買い上げ。
何だか店じまいセールみたいになってしまった。





2004年05月16日(日)
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