-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 すげーかっこいい男の話。

去年の夏、
【Distillery】のアウトドアショーに出展してた時だ。
20分くらいの間、じーっと俺の作品を見つめる
ちょっとインテリ風の男がいた。
「リビングや寝室に飾る絵を探してるの?」
と聞くと、
「いいや、ホテルなんだ。」
そう答えた男が残した名刺には
【The Drake Hotel】と書かれていた。

それが俺と、DrakeのオーナーJeffの出会い。

それから半年、
全財産(5億!)と第二の人生を賭けたホテルが
2年の改装期間を経て、今日オープンした。









・・・・・・・・・・・・・
「残りの人生、アートと共に生きたい。」

ニューヨークにある【チェルシーホテル】のように、
アーティストやミュージシャン、作家、俳優・・・
夢を追いかける者たちが巣くうホテルをつくりたい。
それが彼の夢だった。

彼はほんの数年前まで、ITベンチャーの旗手、
青年実業家として富も名声も手にしていた。
その彼が、あっさりと会社を売り渡し、
手に入れたすべての金を使って一軒のホテルを買った。
Queenのギャラリー街中心部に位置する
その古びたホテルは、長い間買い手が付かず、
廃墟のように横たわっていた。

メディアや新聞は、事あるごとに彼を取り上げた。
「現代の夢追い人」というのもあれば、
「TOO クレイジー(トチ狂ってる)」という声もあった。
しかし、アート界からは常に暖かい励ましと
サポートを受けたという。

気の遠くなるような長い時間をかけ、
内装にも徹底的にこだわった。
建物に入った瞬間から壁も天井もアート。
一部屋ごとにコンセプトもインテリアも違う。







ヨガ・ルームや、ルーフトップ・パティオ、
鞭をもった番人がいる「セラピールーム」なんてのもあった。
一階には50年代ニューヨークを思わせる
巨大なボールルーム。
地下にはライブステージ。
そして、無料でアーティストに貸し出す予定の
アトリエまである。

プレ・オープンの今夜は招待客オンリーで、
いかにも皆アート界のパトロンですって人達でギッシリ。
ジーパンでノコノコ行った俺が馬鹿だった。
明らかに浮いてる。
ほら、アート系のホテルっていうから、
アーティストとかも沢山来ると思ったんだよね。
しかし、ギャラリーのオープニングとは明らかに人種が違う。
よくさ、グラミー賞とかであるじゃない
セレブ達がここぞとばかりに露出したドレスを着るの。
あんな感じの、オッパイ出そうな女性がいっぱいいてさ、
トロントにもこんな場所があるんだな〜、って
オッサンらしく感動してしまった。








顔見知り誰もいないし、
ジーパンのオッサンには誰も話しかけてくれないので
仕方なくバーのにいちゃんと喋っていたら
そこにJeffが登場。

おおーー!
「ジーパンじゃん、Jeffも!」

それが第一声(笑)
輝かしいオープンの日、
この雰囲気の中でジーパン一丁。
それでこそ男。
「今日、招待客は200人くらいいるんだぜ、
その中でジーパンは、俺とトモの2人だけ(笑)
俺たちってカッコいいじゃん!」
って、
何故かジーパンの話で大盛り上がり。

やっぱりアンタかっこいいよ。


(そんなかっこいい男に興味を持ったら
http://www.thedrakehotel.ca/home.asp
↑ウェブサイト見てみて)

2004年02月13日(金)
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