-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 Rufus Wainwrightの悲劇

二日酔いのはずが、なぜか朝8時に起床。疲れている時ほど眠れないものだ。

頭を覚醒させようと、コーヒー飲みながら本を読む。今読んでるのはエマニュエル・ローゼン著【BUZZ〜口コミを広げる】というやつ。エンドノートやPalmの秘話などがあって面白い。

【Butler's Pantry】での展示は今も続いていて、時折お客さんから直取り引きの電話がある。一応、レジの子にお金を預けてもらえば、絵を引き取ってもらえるんだけど、中には直接受け渡しを希望する人がいるのだ。

ここ数日電話のやり取りが続いているNさんもその一人。俺のスケジュールが空くまで待ってもらう予定だったが、亭主のバースデー・プレゼントにしたいから、今日どうしても絵を引き取りたいと電話をもらったので、軽く「じゃあ、1時間後に店で!」と答えた。

いつもならスタジオから【Butler's】までは、ストリートカーで30分なので、多少余裕をみたんだけど、乗った瞬間から道路が大渋滞+大事故。おいおい、30分乗ってるのに、まだ2ブロックしか進んでないよ。

あと15分で約束の時間になってしまう。仕方なくタクシーを拾うが、ほとんど大差なし。【Butler's】までに近道もあまり無く、運転手も地理に詳しくないようだった。到着したのは、約束の時間から30分後。もう平謝りしまくり。

帰りに郵便局で荷物をPick up。やっと来た!アマゾンで注文していた【Lennon Legend豪華本】です。手作業で丁寧に折り込まれた、ジョンゆかりの品物の数々に感動。

おっと、今日はゆっくりしていられない。8時から【Rufus Wainwright】のコンサートへ行くのだ。これでRufusのライブは5回目。トロントへ来たらほとんど見逃さない。しかし、今日に限ってチケットをまだ受け取っていない。インターネットで予約したやつをお店に取りに行かないといけないのだ。

コンサートの前に、日本から遊びにきている友達と夕食を食べるので、すぐに家を出発。Eatonセンターまで歩いて無事チケットを発行してもらい、そのままKingまで下がって【Marche】で食事。

皆と別れ、一人でコンサートの会場【Massey Hall】へ向かう。慎也さんも来ているはずだが、混雑で見付からず。

前座は、Rufusのお姉さんMarthaだった。見かけが益々インギー(マルムスティーン)に似てきたぞ。やばいっす。

席はステージに向かって上手で、丁度Rufusのピアノとは対極だったのが残念。でも前から5列目。最高ー。Rufusはいつもより緊張気味!?声の伸びが悪いです。と、思ったのも最初の3曲くらいまで。

いつものゲイ・トークを挟んでからグングン調子が出てきたみたい。曲目はほとんどが、最新アルバム【Want One】からのもの。ライブで聴くと、これがまた組曲のような流れで、非常に心地良い。一曲単位というよりも、3〜4曲で起承転結みたいな感じ。

しか〜し、その良い雰囲気も、次第に壊れていく。Rufusはピアノの時も、ギターの時もステージ下手に陣取っている。それは良いのだが、何でギタリストがステージど真ん中にいる必要があるわけ???こいつ(あえて言わせてもらう)が飛んだ勘違い野郎で、終始ムスっとした表情で、マネキンのように立ち尽くしながらギターを弾いてんだ。そんで「俺ってクールだろ!?」って雰囲気を丸出しでさ。全然クールじゃねぇよ、バカ。

他のメンバーがビートに合わせて揺れているような、ノリの良い曲でも、ほんと微動だにしない。そんな奴が真ん中に突っ立ってるとイライラする。俺がバンマス(リーダーね)だったら、間違いなくブッ飛ばして首にする。

ミュージシャンでもアーティストでも人前で、金を取るって演るってことは、エンターテイン(楽しませる)することなんだぜ。それが嫌ならお前、スタジオに一生篭ってろって感じです。

こいつが中心に立っているお陰で、その覚めた空気が広がっていって、何とも奇妙な空間になっていた。Rufusももうちょっと考えた方がいい。だって、あんたが主役なんだから、ずーっとステージの左端にいたって、右側の観客は盛り上がれないよ。

それでも我慢強く、なるべくギターの馬鹿を見ないようにしてRufusの歌声のみに集中。【Foolish Love】も【Across the univers】も演らなかったけど、アンコールは3回やった。多分、きっとRufusも不完全燃焼だったんだな。

次来る時は、あのギター連れてこないでね。


2003年12月03日(水)
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