英語通訳の極道
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2003年04月15日(火) 辞書100回

アメリカに留学したばかりの頃、毎日100回近くも辞書を引いていた。

英語ではない。国語辞典である。日本の友人達にも毎日何通と手紙を書いていた。

というのも、留学した先達の本などを読んで、帰国後日本語能力の低下に悩む姿を知っていたからだ。

英語も完璧でないのに、日本語まで怪しくなると、思考する言語がなくなる。思考は言語であり、言語能力が低ければ、思考レベルも自ずから低くなる。

それほど日本語には気をつけていたものの、アメリカ滞在も5年目にかかろうとする頃には、授業や研究で寝る時間もないくらい忙しくなった。日本語を読む暇も、国語辞典をを引く時間もない。日本へ手紙を書くのも年に一回、年賀状だけ。

いつ帰国するとも知れない。日本に帰るのかどうかさえ分からない。そんな状況下で、さすがに日本語に気を使っている余裕がなくなっていた。

ちょうどその頃、日本人の知り合いと話をしていて、妙な変化に気がついた。

自分の日本語に、



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がやたらに増えている。言いたい単語がすぐに出てこない。

昔は自由自在に使いこなしたはずなのに、気の利いた表現が口から出てこない。まるで、中学生の会話のように単純な構文ばかり。自分の日本語がひどく原始的になっていることに気がついた。

そればかりではない。何か言いたいことがあるのだが、それを表現する言葉を探して、ほんの一瞬だが、微妙に間があく。

こ、これは?!


To be continued...


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