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2007年08月26日(日) コバケンとその仲間たちオーケストラ・2007福島公演

 「コバケンとその仲間たちオーケストラ・2007福島公演」を鑑賞してきました。
 福島県民の日制定10周年記念事業ということで招待されたもので。

 率直な感想。
 よかったぁ。感動。最後には目が熱くなって、その液体の処理をどうしようかと…
 ブラボー!でした。

 コバケンこと小林研一郎氏は福島県はいわき市の出身で、今では世界的なマイストロです。
 コバケンがこの「コバケンとその仲間たちオーケストラ」をやる思いがパンフレットに載っていました。

【ブタペストでの思いが、やっと実現した冬】
 ブタペストの冬。その日もまた、ドナウからの風は氷のように頬を刺した。そんな夜、コンサートを終え楽屋口を出た僕を、ご両親に伴われて、少女が待っていた。
 体が不自由であり、また、知的障がいも持っていた。しかし、演奏を聴いた喜びや感動を必死にぼくに伝えようともがいている様が、いとおしかった。この子たちにもっと自由に演奏を聴いて欲しかった。だが、しかし、知的障がい者が健常者と一緒にコンサートを聴く環境を作ることは厳しい。
 音が空気に溶けて行く様や静けさのみが支配する世界では、ほんの少しの雑音も許されない……。そういう矛盾を思いの底に沈めて、長い間、解決がないまま、悶々と過ごしてきた。そんな中で、スペシャルオリンピックス世界大会・長野との出会いがあった。世界中から集まるアスリート達に、今までの努力を讃え、そして、これからの励ましを込めて、コンサートができたら……。そこでは、嬉しかったら立ち上がったり、感動したら声を出してもいい。そんなコンサートにしたかった。だが、それは、途方もない企画だった。指揮者だけではコンサートはできない。果たしてボランティアでオーケストラのメンバーは集まってくれるだろうか。
 しかし、たくさんの人々の小さな思いは、やがて、大きな力になっていた。3月3日深夜、114名のボランティアの演奏家たちを乗せたバスはひたすら、白馬に向けて走っていた。“コバケンとその仲間たちオーケストラ”バスのフロントガラスにはそう書かれてあった。そしてコンサートではアスリートたちに、僕たちの思いを伝えることができた。彼らの眼はより輝きを放ち、立ち上がっての拍手は続いていた。しかし、それにも増して、我々演奏家たちは口々にこう言っていた。聴いてくれてありがとう。演奏させてくれてありがとう。この時を与えてくれてありがとう。出会いをありがとう……と。励ましをもらったのは、むしろ、僕たちだった。
 日本の社会が障がい者をごく普通に受け入れてくれる時がやがて来る日まで、このコンサートは続けなくてはならない。障がい者も健常者も垣根なく共存できる社会に向って歩き始めよう。そう思った時でもあった。

 この続きは日記を分けて書きたいと思います。


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