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2005年02月03日(木) 家を建てるなら

 いま、知り合いから頼まれホームページを制作中。
 建築事務所のホームページ。

 今ではハウスメーカーでのマイホーム建設が当たり前で、この場合メーカー内の建築部や建設部などが図面を引くこととなる。
 もちろんそれに問題はないのだが、ここで施主は何を考えるか。
 このハウスメーカーは有名だし、テレビでもじゃんじゃんCMやってるし、モデルハウスを見たら気に入ったからここで建てよう。
 上のように考える施主の中でも大きく二つに分かれ、建売を基本とする「既にメーカーが決めたプラン」に変更を加えることなく完全お任せのパターン。(「売り建て」:メーカーが土地を先に売り、その上の家も建ててもらう。も含む)
 もうひとつは、ハウスメーカーのフリープランにより、施主が図面を引く段階から自分達のイメージをメーカー担当者に伝え、実際の現場にも足繁く通い進行状況を監理し家を建てるパターン。
 ハウスメーカーで家を建てる場合の大雑把な括り方はこんな感じ。
 ただ、ここで考えなければならないのは、図面を引く設計者も、現場を仕切る監督も、箱を組み立てる職人も(メーカー提携の工務店や電設空調会社など)みんなメーカーの人間だということ。
 どうしても、施主主導ではなく、メーカーの利益主導になり易いということ。
 だからってメーカーの家をダメなものと言っているわけではありませんよ。施主がしっかりと自分達のプランをメーカー側に伝え、現場での作業者にも具体的に説明をしながら竣工まで持っていけば良い家は建ちますから。

 では、いまや当たり前になっているハウスメーカーでの家造りなのに、設計事務所に図面を書いてもらって建てる家のメリットは何なのか?
 一番のメリットは、現場を監理してくれること、でしょう。施主の要望に沿った(もちろん設計者自身のアイデアや思いを加味した)図面を引いた当事者が現場を監理することは大きな意味を持つ。仮にハウスメーカーでの建設では現場に週3日は足を運ばなくてはならない(施主監理のため)のに、設計事務所が監理してくれる場合には週1でも、いや2週に1でも図面と違わない家が建つ。
 この安心感は大きい。
 しかし、我々一般ユーザーにとっての設計事務所、建築家というのはちょっと怖い存在だという意識があるのも事実。何が怖いか。設計料がべらぼうに高そう。そしてもうひとつは・・・
 そうもうひとつの不安は、自分が建てる家なのに設計者の「作品」にされはしないかという大きな不安。
 これがなかなかの難問。
 建築家にも大別するとふたつのタイプがあり、施主の思いをプロとして具体的な形にし、さらにプロだから分かる(ズブの素人の我々にはない)アイデアを加味することで施主の求めるもの以上の住空間を提案してくれる施主尊重型のタイプ。そして、あくまでプロとして自分の(建築家の)思いを作品として具現化してしまう施主不在型のタイプ。
 だから、建築家の選定を間違えるととんでもないことになる、というのが同業者間での常識らしい。
 ちなみに、設計事務所に設計監理を頼んだからといって、ハウスメーカーでの家造りよりべらぼうに高い買い物になることはない。一般的には2000万円くらいの家で200万円くらいの設計監理料。こだわりがあり、自分の思いが形になっておよそ10%の出費であれば高くないと俺は思う。
 が、俺は自分の家を建てるだけの財力が備わらない星の下に生まれたようで、一生涯借家生活のようだが。

 一生の中で一番大きな買い物と言われる「家」
 それだけに、施主となる場合の色々な選択も難しいようだ。

 ところで、家を安く建て、なおかつとても満足のいく出来上がりを実現する方法を皆さんはご存知だろうか。
 自分で建てる。
 図面を引いて、現場の基礎や木工事や配管配線も自分でやる。
 全ては無理でも、いやほとんどはプロの手に任せて、内装の壁塗りやバルコニーのペンキ塗りだけでも自分の手でやると、これが笑えるほど支払額を安くできる。200万円くらいは努力次第で安くなる。
 「自分の家」という思いに立脚すると、自分の手も加えた家造りは理に叶っており、その浮いた予算で住宅のグレードをワンランク上げることも自分への投資として一考の価値はあると思う。






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