分かれはいつも唐突。 出会いは億千万の胸騒ぎ。
おれの原チャがついに逝ってしまった。 昨日学校帰り、信号待ちしてたらエンストした。 最近よくあることなので、道路わきによせて再度エンジンを かけていたのだが、なかなかかからない。 そして、最終的にはあり得ない音を出すようになり、 ことの終幕を感じさせた。
止まった地点はよりによって天神のど真ん中。しかも小雨状態。 このまま置き去りにしとくのが最善の策かとも思ったが、そうすると 二度と取りに戻らない可能性が極めて高いので、長い道のりを押して歩いた。 もし駐禁でもとられようものなら、残り一点のおれは免停である。 動かない原チャのために免停は御免こうむりたい。
人ごみを掻き分けて、バイクを押すおれ。
「うわー、この人ガス欠なんじゃない?だっせー。」
とおりすがる人々にそんなこと思われてないかな、などと被害妄想 甚だしくなるのもしょうがない。
すると、通行人の一人にどうも見られてる気がする。 いかんいかん気のせいだよ、誰もおれのことなんて見てないよ・・・
・・・と思ってたら通行人は部活の後輩だった。
ああ、よりによってこんなところで・・・
「あはは、エンジン壊れちゃったよ、あはは、あは・・・」
その後輩とは一瞬通りすがっただけなのだが、 おれの表情からこういいたかったことが読み取れただろうか。
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