気絶したことありますか? おれはあります。中学校のころ気絶行為が流行ったからだ。
たしか中学校一年のときだった。 気絶が流行ったのだ。今思えばなんであんなもんが流行ったのだろう。
手順は次のとおり。
1、立って、気をつけ!の状態をとる。
2、息を大きく吸って、大きく吐いて 大きく吸って、大きく吐いて 大きく吸って、そこでとめる。
3、両手を頭の後ろで組む。
4、後ろから別の人にお腹のあたりを強くしめてもらう。 (いわゆるサバおりのような感じ)
5、その状態で10秒数える。
これで気絶する。頭に血液がいかないからか?原理はよくわからない。 とにかくこれで気絶するのである。
おれは、はじめこのことを信じてなかった。
「そんなことで気絶するわけがない。」
「そんな宗教的儀式のようなことをしても、人は気絶しない。」
「人間の体はそんなことで気絶しない。」
「気絶した奴らは演技をしている、又は気絶したという錯覚に陥っている。」
バタバタと倒れていく友人たちを目の当りにしながら、それは演技だと いいはるおれ。まるで大槻教授のようだ。
じゃあおれがやってみて、それがウソだと証明してみせるよということになった。 上記の手順を実行して最後10秒カウントする。
「1!」
「2!」
「3!」 (「ダーーーッ!!」と、今なら言うだろうな。間違いなく。)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・・・頭が痛い。なぜか床にあお向けになってるおれ。みんながおれのことを 見下ろしている。なんだ?夢?おれイジメられてる?とにかく頭が痛い・・・
・・・ああ!思い出した!!!気絶実験してたんだ!!!おれ倒れたんだ!
とまあ、結果はこんな感じだった。記憶がかなりあやふやになる。 一瞬記憶喪失みたいになるのだ。
だいたい前に倒れるので、支える役のやつが 前で準備していたようなのだが、おれは後ろに倒れてしまったため、 床に後頭部をうったらしい。一応腕を捕まれたので、そんなにひどい衝撃では なかったようだが。
とりあえず、おれの仮説は打ち砕かれた。 本当に気絶することを身をもって知った。 やった後思ったのだが、あれは絶対からだによくない、 なんか記憶がおかしくなるし・・・
とりあえずおれは、危なそうなので二度とやらなかったのだが、 その後も何度も何度もやってるやつとかもいた。 そしてそいつは、そのうちなんか行動がおかしくなっていた。 急にふらふらと歩き出したり、突然イスの下にもぐってガクガク震えだしたり。
これはヤバい、とみんな思ったのだろう。 その後はあまりみんなやらなくなった。教師たちにもやったことがバレて、 危険だから絶対やるなとか注意された。
・・・みなさん、真似しないように。
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