マスカな話

2005年07月10日(日) 熱海にて

何層にも重なりあう雲。
 空と海を隔てるラインが緩やかなカーブを描いている。濃紺色みたいな水面は遠くでさざめき、荒々しい岩場にぶつかって白くはじける。
 ザザサー。打ち寄せる波の音が何度も繰り返される。絶えることのないいとなみ。
 岩にかじりつくかのように立っている、ホテルは皆、なんとか海を見ようとする。競争倍率は厳しい。でも海を見るためならば、断崖絶壁にだって立ってやるとの意気込みを感じるホテルも少なくない。
 私は今、そのホテル群の一つにきている。
 窓の外は海、海、海。窓を閉めた部屋の中にまで響く波の音がとても心地よい。ゆったりとソファーに座っていたら、波のざわめきで眠りをさそわれてしまいそうなほどに。
 腰を下ろしたソファーを眺めれば、刻み込まれたいくつもの細かい傷が、長い年月を思わせる。
 部屋の備品も。柱も、扉も、日本人がモーレツに働いて豊かさを求めていた時代を思い出させる。勤労のご褒美にここにきたのだろうか。
 私は水割りのグラスを揺らし、濁点のない澄んだ音を響かせる。そして口をつけた
(今飲んだ一口の水割りも、いつかこの海にかえるのだろうか)
 そんなことを考えながら、グラスの音と窓からやってくる音をいつまでも楽しんでいた。


 いや〜、これを書いたときには熱海にいました。夜景を見ながら、水割りのグラスを傾けていましたよ。すごく自分の中では雰囲気が出ていました。ちょっと陶酔している感も強いですがw
 波の音って本当に聞いていると落ちつきますね。何かのリズムと同じだって話を聞いたことがあります。何だったか忘れましたが。
どこかで何かとつながっているから落ちつくのかなと思います。
 ストーリーを作る上でも、世界観やキャラクターとのつながりは大切です。人間はひとりで生きることはできないからつながりを求める。だから、つながりのある話が心地よくみえるのかなと勝手に結論づけておきます。
 つながりの見える人つながりを築ける人になるようにもがくマスカでした。


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