マスカな話

2005年06月07日(火) ガツンと一発

昨日はいくつか他の人が書いた短編を読んで
衝撃を受けました。
400字詰め原稿用紙で2枚と短いものですが、
読者に印象を与えるモノでした。

短編を書く上で必要なことは(長編でもいえるが)
はじめの数行でいかに読者の目を引くことができるか。
これが非常に難しいですね。
何が読者の目を引くのか考えていますが
考えれば考えるほどわからなくなって
鈍いものになってしまいます。
また、きれいなオチがないと苦しいですね。
短い中でヒラリとひっくり返るようなオチだと最高です。

 今回みた作品はこれらを満たしていたと思います。
 別れ話を切り出された「僕」が、相手である「君」を刺してしまう。動かない「君」をどうにかしようと、ビニール袋やスコップを買って帰ってきたら、「君」の姿がなかった。その時、突然後ろから殴られた。「僕」が倒れる前に見たのは「君」の顔だった。という話でした。
 最初の数行で、刺してしまったシーンをたんたんと見せていました。
『手には果物ナイフ、切っ先は深紅。粘りけのあるものがボトリ、と床に落ちる』
 ごく短い文字数で雰囲気をよく伝えているなと思います。
 文章全体でいえることなのですが、刺してしまいましたということは一言も説明してないんです。それでも刺してしまったと用意に想像できるんです。
 人を傷つけるということをパーン!と見せられると目を引くみたいですね。
 また、短い中でキャラも立てています。
 「僕」が責任転嫁する独り言や、倒れた「君」をどうにかするために
『着替えて手を洗ってから』と述べてから袋を買いにいかせることで
重大なことをやった割に冷静であることを表しています。
 また、「君」のキャラにもしっかり手が入っています。
 「僕」が思い出すという形で下記のような「君」について連想させる言葉を見せています。
『意地悪な笑み』『憎たらしい顔』『綺麗な唇』『あざ笑う顔』
 そして、オチもよかったですね。
 序盤の刺してしまった場面で、もう死んでしまったものと思いこんでしまい、死んでしまったとは一言もいってないのにうまく誘い込まれました。
 そして最後に死んでいなかった「君」が「僕」を殴りつけるというラストには驚きました。題名が『最後に僕が思うこと』となっていたので、僕は死んでしまったのだと思いますが。

よくできてました。
参考になる作品だったと思います。


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