囁き
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予備校に、昔の連れとそっくりの奴がいた。同じ痛みを持った『アイツ』。連れというよりも、親友というよりも、もはや相棒とまでいえる。恋愛感情でも友情でもない、どう言い表していいのかわからない感情を抱いていた。そいつにそっくりな奴。
無論、本人のわけはない。横浜にいる理由がない、予備校に通っている理由がない。よく見れば顔も違う。けど、ぱっとみ、そっくりなんだ。恐怖に似た感情で、一瞬身体が硬直してしまうほど。 運がいいんだか悪いんだか、同じ授業を多く取っている上、席も近くや隣になることが多い。自由席なんだけどね。込んでるからさ。だから、隣とかに座られると、妙に居心地悪くてね。つらとかあんまりみてると変な奴とかって思われるだろうし、だけど、何んとなく見ちまう。 結果的に違うって、心から信じられたのはさ、皮肉なことに腕。傷がないんだ。手首にも、表にも。綺麗だった。普通の人とおんなじでね。俺等みたいな、自傷癖や喧嘩傷みたいなのがなかった。それが、信じられたこと。
名前すらもわからないけど、それでいい。ただ、『アイツ』のことを少し思い出した。
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