囁き
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赤。 赤。 紅。
視界に飛び込んでくるのは、ただそれだけだった。わけもわからず、彼は空を見上げる。そこはただ漆黒。そのとき、頬を伝う雫に気がついた。透明な水、涙。それを拭い、大地を見る。
骸。
赤く染まった亡骸。虚無の目をこちらに向け、何も見ていない。それは、見知った顔だった。
「なにをみているの?」
一つが口を開く。彼は思わず目をそらした。しかし、そこにもある。虚無を湛えた目が。
「貴方がやったことから、目をそらすの?」
両の手は、真っ赤に染まっていた。絶叫。
「ありがとう、赤くしてくれて・・・だから、これが俺たちの礼・・・赤くしてやるよ」
骸が起き上がり、手を伸ばして彼に触れる。全身が染まる。彼の叫び声は、風の音にかき消されて己にすら聞こえない。
ごめん・・・
そこで目を覚ました。俺は、いつになったら許されるのだろう・・・?
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