Daily Talk

2005年04月29日(金) "He was never mine to lose"

"レ・ミゼラブル"in Japan、第2弾。
今回は相方に付き合ってもらいました。
先月高校時代の友人と行った時は、どうも体調が悪くてね。
熱っぽいなぁ・・・と思って、帰宅後熱を測ってみたら・・・37.6度! 
そりゃだるくて頭痛いはずだよ・・・。
・・・というわけで、教訓を生かし(?)今日はコンディションも整えて行きました。

タイトルは、今回もエポニーヌの台詞。
"He was never mine to lose. Why regret what could not be"で、
「片思いだわ 仕方ないのね」
と、訳されています。
愛を語り合うマリウスとコゼットの姿を陰から見て、エポニーヌがこう呟く。
音に合わせるためにはこの和訳は仕方ないんだろうけど、英語の方が、
"元々叶うはずのない恋・・・わかってたはずじゃない"という空しさは伝わると思った。

ちなみにラストの方では同じ音で、バルジャンがこの2人(娘とその恋人)を見て、
"She was never mine to keep"(「俺のものじゃない」)と歌います。
愛する人が自分から離れて幸せになる。
恋心と親心。 立場は違うけれど、"never mine"(最初から自分のものじゃない)
という言葉を自分に言い聞かせる2人は、見ていてとても苦しくなる。

そんな風に想われるマリウスとコゼットは、藤岡くんと剱持さん。
剱持さんのコゼットは、
「そうなのよ! コゼットってこーゆー雰囲気だよね!」と思った(笑)
(知念ちゃん、「ミス・サイゴン」では一番好きなキムだったんだけどな〜)
伸びやかで綺麗なソプラノヴォイスはとても品があって、お嬢さんっぽかった。
CDで聴き慣れたブロードウェーの元祖コゼットよりはちょっとお姉さんぽい感じだけど。
マリウスを包み込んで癒してくれそうな雰囲気はバッチリでした。

ずっと楽しみにしてた藤岡マリウスは、期待どおり・・・いや、期待以上かも。
初々しくて、繊細で、不器用で。 イメージどおりのマリウスでした。
恋に戸惑う感じも、死んでいった仲間を想って歌うところもよかった。
演技は今回が初めてだし、細かい芝居はまだまだなんだろうけど、
歌はすべて「藤岡正明の歌」ではなく「マリウスの歌」だったし、
雰囲気も合っていて、マリウスを演じるのが初めてとは思えないくらい。
これからもずっとこの役を磨き続けて欲しいな〜と思った。

ところで、コンブフェールの小鈴さんが気になる。
なんか目立つのよね。 身長あるし。
プログラムでコンブ=工場長=旅人なのは知っていたものの、
それぞれのシーンで、「あの人気になるなぁ・・・」と思わされた。
アンジョでも一度見たかったな・・・残念。

最後に、新妻エポ。 よかった。 やっぱり歌上手い〜〜。
キムの時も思ったけど、彼女は観客を切なくさせる・・・というか、
可哀想・・・と思わせる演技が上手い。 必死さが伝わってくる。
ただ、もの凄く"可哀想"ではあるんだけど、"惨め"な感じが足りない気がする。
(このふたつがどう違うのかと言われると、上手く説明できないんだけど・・・)
それと、とても女の子らしい感じの子なので、
"育ちの悪い、小僧のような小娘"というイメージとはちょっと違う。
女の子が一生懸命恋をしてるって感じなので。
それで充分っていう見方もあると思うけど・・・。
全部、あとからよくよく考えてみると・・・というレベルで、
公演中は全然気にならないことばかりだし。

はぁ・・・今日も素晴らしかった・・・(溜め息)
やっぱり凄いわ、「レ・ミゼラブル」。
これほどのパワーを持つ作品を、私は他に知らない。

・・・そして、公演が終わると、興奮状態の中、いつも思う。

一度でいいから、舞台の上でエポニーヌになりたい!!!

*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*

"レ・ミゼラブル"
2005.4.29(金) 帝国劇場 12:00〜

原作: ヴィクトル・ユゴー
作詞: ハーバート・クレッツマー
作曲: クロード・ミッシェル・シェーンベルグ
キャスト:
   ジャン・バルジャン  山口祐一郎
   ジャベール      鈴木綜馬
   エポニーヌ      新妻聖子
   ファンテーヌ     マルシア
   コゼット        剱持たまき
   マリウス        藤岡正明
   テナルディエ     徳井優
   テナルディエの妻  瀬戸内美八
   アンジョルラス    岸祐二


 < 過去  INDEX  未来 >


英美