ゆうじの日記

2006年03月23日(木) 幻の光

『幻の光』を観た。

生後3ヶ月の子どもを残してふいに自殺をしてしまった夫。残された妻は再婚をし、能登に住み着く。そこで彼女は何を見るのか?

たぶん、人は思ったほど弱くもないし強くもないのだと思う。ふいに向こう側へ惹かれてしまう人は、作中の人物が言うとおり特別な事情があるわけではないのだ。海の音、電車の音、風の音。そして幻の光についつい体のどこかが引っ張られてしまう。それは悲しくなるほどに繊細な部分なんだ、きっと。
セリフは少ないけれど、絵が言葉以上に饒舌な映画。同じ監督の作品である『誰も知らない』を観た人は、絵が語ってくるというのがわかるだろう。観ている間喪失感がどこか心の中にあって、悲しくて怖くてでも心地いい。ずっとその空気に浸っていたくなるような映画。


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ゆうじ